まだナイトメア軍と銀河戦士団による宇宙規模な戦争・銀河大戦が始まる少し前。 ここは惑星ハーフムーン。マジカルーマ族とその他様々な種族が暮らしている惑星である。 ここにはマジカルーマ族のある兄妹がいた。 兄の名前はマルク、妹の名前はグリル。 その兄妹は優れた能力を持っていたマジカルーマ族の子供だったが、両親に自分たち以上の力を持つことを恐れられ、毎日虐待を受けていた。 だが、兄妹は種族の他の者からは「良い子」と慕われていた。 しかしそんなある日のことだった。 「やめてよ!僕たち何も悪いことしてないよ!」 「パパ!ママ!お兄ちゃんの言うとおりだよ!どうしてこんなことするの?」 いつものように両親から虐待を受ける兄妹。そんなとき…。 「もういいよ!」 マルクがそう言って放った攻撃が両親に直撃、マルクとグリルの両親は即死だった。 「パパと…ママが…」 …二人はとても恐ろしくなり、心から震えた。 それから二人は惑星の各地を転々とした。 そして兄妹の前にある洞窟が出現した。 「何だろ、あれ…」 「お兄ちゃん、二人であそこに入ってみない?」 「うん…」 兄妹は洞窟の奥に入っていき、洞窟の一番奥に辿り着いた。 すると奥に一つの棺桶を見つけた。 「これは…一体…?」 「なんか不気味だよ、やめたほうが良いよ…」 「でもどんな物かは開けてみないとわからないだろ?だから…」 そしてマルクは棺桶を開けた。 「!!!!!!」 「!!!!!!」 『お前たちが私の封印を解いてくれたのか。その礼といっては何だが、お前たち二人が今望んでいるものは何だ?私がその願いを叶えてお前たちに力を与えてやろう…』 「…願い事?ね、ねぇ、お兄ちゃんは、どうするの?」 突然の出来事に驚き、グリルは一番頼りにしている兄のマルクに聞く。するとマルクは…。 「グリル、僕は決めているよ。僕たちは弱かったから父さんや母さんに虐められたんだ。だから…声の主よ、僕に宇宙中の誰にも負けないくらい強くなれる大いなる力を授けてほしい…!!」 「じゃ、じゃあ私はお兄ちゃん以外の誰にでも勝てる力を!」 『よかろう…』 「…行こうか、グリル。何か面白いことを探しに……フフフフフ…ハハハハハハハハハ……」 その数年後、銀河大戦が開始され、ナイトメア軍によりハーフムーンに住んでいたマジカルーマ族は殆どが殺され、マルクとグリルの兄妹は消息不明となった…。 時は現代。 『星のカービィ』の活躍によりナイトメアは倒され、HN社も壊滅してから数ヶ月経って宇宙に平和が戻りつつある頃…。ある惑星には不吉な空気が漂っていた…。 〜常夜の惑星・ハーフムーンに存在するウィザード・フォートレス内のマルクの部屋〜 「準備は整った。グリル、本拠地であるこのウィザード・フォートレスも建設できたしナイトメアも倒されたことだしそろそろ実行しよう。僕が作ったあの計画を。もうすぐ僕たちが宇宙全てを支配できるんだ」 「いよいよなのね。で、お兄ちゃん、星の戦士ってどれくらい強いと思う?」 「今生き残っている旧世代の星の戦士たちは情報が不足していて僕は何とも言えない。彼らはあの時まで自分たちは死んだことにしておいて生き延びていたからな。 しかし、僕たちと同じくらいの年齢である次世代の若い星の戦士はホーリーナイトメア社と 接触したことがあるらしく、資料は大体揃っている。まぁ、どの戦士も僕たち以上の強さを持つ者 ではないことは確かだ。 ただ、僕がホーリーナイトメア社に居た頃何度も名前を聞いた 『星のカービィ』とやらは警戒しておかないとな…」 「う〜ん…。あ、そんな事よりお兄ちゃんはこれからどうするの?私はお兄ちゃんの言う事は何でも聞くから、必要なことがあったら言ってよ!」 「じゃあグリル。今から僕が言うことをちゃんと頭に入れてこの後言うことを実行してほしい。 まずお前はポップスターのププビレッジにいるデデデ大王とコンタクトを取ってくれ。 そして、今用意してあるテスト用の魔獣をどれか一つ初回ということでタダでデデデ大王に配信し、そうした後『星のカービィ』が今居ると言われるポップスターと呼ばれる惑星以外の宇宙各地の惑星に魔獣を送り込んで制圧し、 僕たちMTSの支配下にしてほしい。それから制圧した後も各惑星には侵入者撃退用の魔獣も配備してくれ」 「え!!!?一気に惑星をみんな侵略しちゃうの?!じゃあ、ポップスターも一緒にそうすればいいのに…」 「ポップスターにはギャラクシア奪還事件時の僕も話したことがある生き残りの星の戦士『メタナイト卿』と、前述の『星のカービィ』が住んでいる。奴等は他の戦士に比べて実力も高いから慎重に戦いたいんだ。 逆に残りの戦士はそれぞれ別々に宇宙を旅しているらしく居場所が特定できない。こいつらは前述の二人に比べて大して事ないと僕は考えているからその場で魔獣たちに戦わせ、捕らえておいてほしい。 ウロチョロしているハエみたいな奴はうんざりするのでね。それから僕はお前の育ての親であり、銀河戦士団と戦って封印されたドロシアを現世に蘇らせる。 その後も僕はしばらくこのウィザード・フォートレスには帰ってこれないから、その後の仕事もある程度片付けておいてほしい。わかったか?」 「う、うん!ちょっと難しいけど、お兄ちゃんのためなら何でもするし、いいよ!でもその後仕事を片付けた私にはちゃんとご褒美をちょうだい!」 「…はいはい。じゃあこれからはちょっとの間別行動だ。くれぐれも余計なことはするなよ。各惑星襲撃時には魔獣に任せて自分からは攻撃に参加しないこと。飛び回っている奴等は僕たちが自ら出向くほどではないだろうからね」 「あ、お兄ちゃん!後で一緒にご飯食べようね〜!!」 そういうとマルクはテレポートで瞬時に消え去った。 「とは言っても、お兄ちゃんが指示した事だけを行うんじゃつまんないし、やる事終わったらその星の戦士とやらと戦ってみようかな〜。それよりもまず、ププビレッジのデデデ大王とコンタクトを取らなきゃ」 そう言ってグリルはウィザード・フォートレス内の司令室に向かった。 |