副編集長の鎌田様作・アニメ版星のカービィ 第2期予想小説
第38話・後編
〜金の魔獣、銀の魔獣〜



 カービィ達がバタファイアらを倒した後の様子を、崖の上にある岩陰から見ている者がいた。
 MTSの副官・グリルである。
 相変わらず彼女とは上級ランクの魔導魔獣・シミラとウィズの2人も一緒にいる。
「(デデデ陛下が買ったバタファイアとピーザーの2体は兎も角として、お兄ちゃんの話ではガメレオアームと一緒にいた筈の、あの『暗殺ソムリエ』のシャードロまでも戦いに加わって逆にやられちゃうなんてね…。お兄ちゃんがシャードロが死んだことを聞いたら何て言うかなぁ〜…?)」
 グリルは戦いの一部始終を見ていたようで、カービィ達によってバタファイア、ピーザー、そしてシャードロの3体の魔獣が倒されたことに焦っていた。
 しかも彼女は魔獣が倒されたことでまた自分が怒られるのではないかと恐れているらしい。
「(お兄ちゃんが事前に用意してるっていう『マジヤバでちゃけパねぇ魔獣』ならカービィ達を倒せる…わよね?)」
「グリル様、いかがなさいましょう?」
「(うん、お兄ちゃんを信じよう!…いつものことだけど)」
「グリル様?」
「はッ!?」
 考え事をしていたグリルにシミラが彼女のすぐ傍で話し掛けつつ身体に触れ、グリルは考え事を止めて我に返った。
「あっ、ごめん。考え事してた」
「これからどうなさいますか?」
「お兄ちゃんが控えさせてるって魔獣を起こすのと一緒にカービィ達をからかってくる。貴方達はそこにいて」
「は…はぁ」
 勝手に会話を進めてグリルは右の手の平に小さめのフレイムボールを作り出し、岩の後ろから飛び出してそれを先程ピーザーがいた池に向かって投げつけた。
 チュドオォォォォォォンッ!!
 グリルが投げたフレイムボールはサイズは小さくとも威力は充分にあり、池は水柱を上げ、水はそのまま溢れ出した。
「な…なに!?」
 思わず声を出したフームと、横にいた3人の星の戦士達は驚き、池の方へと一斉に振り向く。
 池の上空にはグリルが浮遊しており、カービィ達のことを見下ろしていた。
「戦いはまだ終わってないわよ!」
「まさか…!」
「来る気か!?」
 シリカとナックルジョーはグリルが攻撃してくるのではないかと思い戦闘態勢に入り、警戒する。
 そんな2人を見てグリルはニヤッと笑うと少し離れた場所に生えていた1本の樹木に向かって声を張り上げた。
「そこに隠れているのはわかっているわよ、メタナイト卿ッ!」
 ボオオオォォォッ!!
「!!」
 グリルが右の手の平からフレイムボールを投げると樹木からはメタナイト卿が飛び出し、フレイムボールが命中した木は焼かれて跡形もなくなる。
 フレイムボールを避けたメタナイト卿はカービィ達のいるところへ駆け付け、カービィとフームを守るようにグリルと対峙。
「やっと姿を現したわね。カービィ達が本当に危機に陥ってから助けようとしてたみたいだけどそうはいかないわ。伝説の宝剣を持ってるおかげで、星の戦士の中ではカービィと並んで特別強い力を手に入れてる貴方は私が直々に相手をしてあげる。あ、カービィ達の相手はマジヤバでちゃけパねぇ魔獣がするからね!」
「何勝手に決めてるの!?」
「つーか、『マジヤバでちゃけパねぇ』ってどういう意味だよ…」
 勝手に戦いについて決めてしまっているグリルに対し激昂するフームと、グリルの表現に突っ込み出来ないナックルジョー。
「フレイムボールを池に落としたのは合図みたいなものだから、マジヤバでちゃけパねぇ魔獣はすぐに来るわよ。てことで…!」
 ビュン ギイィィィィンッ!!
 グリルは上空からメタナイト卿に襲い掛かり、空中からのキックを食らわせようとする。
 メタナイト卿はギャラクシアでグリルの蹴りをガードすると、マントを翼へと変形させ飛び立った。
「良いわね、ここから引き離すつもり?」
 飛び立つメタナイト卿を追ってグリルも空を飛び、メタナイト卿が先程自分がいた崖の上に降り立つと自分もそこで降り立った。
 そこには待機していたシミラとウィズの姿がある。
「今日はシミラは見ているだけで良いわよ?」
「え?」
「貴方はこういう戦いは好きじゃないでしょ?」
「確かに仰る通りですが…」
「ウィズ、一応援護用の魔獣をシルクハットから出してくれない?」
「了解です、と」
 グリルの指示でシミラは引き下がり、ウィズはグリルの横に来てシルクハットに手を突っ込んだ。
「メタナイト卿、貴方と戦うのはこれで何度目になるのかしらね?言っておくけど、今まで貴方が生き残れたのは私が本気を出していなかったからよ?今日も特別本気を出したりはしないけど、退屈はさせないでね?」
「ぐ……!!」
 グリルのこちらを見下すような発言に目の色を変えるメタナイト卿。
「行くわよ!!」
 グリルとメタナイト卿は低空飛行をして正面からぶつかり合う。

 カービィ達が池を見つめていると、池の中から最初に金色の身体を持った2足歩行の怪獣型の魔獣が1体、次に銀色の身体を持った2足歩行の怪獣型の魔獣が2体出現し、地上へと這い上がってきた。
 マルクが事前に控えさせていたギガゴルドと2体のメガシルバである。
「こりゃあ確かに只者じゃなさそうな雰囲気の奴等が出て来たな……」
 ギガゴルドとメガシルバの見た目から、ナックルジョーは彼らの強さを勘で感じ取った。
「……ゴクリ」
 シリカも魔獣達の姿を見て思わず唾を飲み込む。
「3人とも気を付けてね?あの魔獣達が強そうな見た目だけじゃなく、今は貴方達もさっきの戦いで消耗してる筈よ?」
「ぽよ!」
「あぁ、わかってる」
「…うん」
 カービィ達3人は順に返事をすると、カービィはギガゴルドの、ナックルジョーは身体の溝が赤い方のメガシルバの、シリカは身体の溝が青い方のメガシルバの方にそれぞれ向かった。

「はぁッ!」  身体にある溝が青色のメガシルバに立ち向かったシリカは跳躍、メガシルバの胸部に蹴りを入れる。
 ガシッ
「グルルル…」
「なッ…!?」
 しかし、メガシルバはシリカのキックを受け止めてしまいそのままシリカの足を掴んだ。
「ぐ…放せッ……!!」
 シリカはクロスガンからナイフを伸ばし、メガシルバを斬り付けるがまるで通じていない。
 暴れて抜け出そうとしているシリカをメガシルバは後頭部から叩き付ける。
 ズドオォォォォン!!
「ぐあああッ……!」
 メガシルバの剛腕によりシリカは仰向けの状態で地面にめり込まされてしまう。
 動けないシリカの腹部の上に足を持って来て、力強く下ろした。
 ズブゥゥゥゥッ!!
「ぐ………がはッ……がああああぁぁッ!!」
 腹部を踏みつけられて口からは血を吐き出し、絶叫するシリカ。
 メガシルバは足をグリグリと動かし、シリカを更に苦しめる。
 そして後ろを向いたかと思うと、今度はシリカはメガシルバの太い尻尾に打ちのめされた。
ドガッ!ビシッ!バゴッ!
「うわああぁッ!!」
 動作は鈍いが一撃一撃が重い攻撃の前にシリカは反撃も儘ならず、容赦無く痛め付けられる。

 身体の溝が赤いメガシルバはナックルジョーの手を焼かせていた。
「バルカンジャブ!スマッシュパンチ!」
 ジョーの技はメガシルバの体表の前には全て弾かれる。
「スピンキック!」
 顔面を狙われようと構わず、メガシルバはジョーに向かって青い色をした火球を吐き出してきた。
「くそッ!」
 ボオオォォォッ!!
 火球をかわしてジョーはメガシルバに走って接近、懐に潜り込んで右腕を思いっ切り突き上げる。
「ダッシュアッパー!」
 バギイィィィッ!!
 ナックルジョーの走ってからの右アッパーカットはメガシルバの顎に命中。
 並みの魔獣なら顎が砕けていたであろう一撃であったが、メガシルバには全く効いていない様子だった。
「くッ…ライジンブレイクをやった方が良かったか…!?」
 すぐに距離をとり、後退したナックルジョーは右の拳にエネルギーを集中させる。
 その最中もメガシルバは青い火球を撃ってくるが、素早く避けつつエネルギーを溜め続けた。
 エネルギーをある程度溜めた所でジョーは右の拳をメガシルバ目掛けて突き出す。
「パワーショット!!」
 バチバチバチィッ!!
「グルルルル…」
 ナックルジョーの通常のパワーショットですらメガシルバに通用せず、身体から多少火花が散った程度でその歩みを止めることは無い。
「パワーショットが効かない!?防御力はマスコローゾって魔獣以上みたいだな…」
 悔しそうに歯噛みするナックルジョー。
 次の手を考えようとするが…。
「グオォォォォッ!!」
「なにッ!?」
 ドズウゥゥゥゥンッ!!
「ぐわあッ!」
 長く太い尻尾にナックルジョーは打ちのめされ、吹っ飛ばされた後に岩壁に突っ込み減り込む。
「ぅ……ぐ…」
 動けないナックルジョーの方を向き、メガシルバは青い火球を吐きつけた。
「グガアァッ!」
「うがああぁぁぁッ!!」
 ジョーは青い火球の直撃をまともに食らってしまい、身体はボロボロで服はところどころ焼け焦げている状態で壁に減り込んだまま、グッタリとして反撃不能の状態に陥る。

「グガアアァァァァァッ!!」
 ギガゴルドは向かって来たカービィに対し角から雷撃を放って攻撃する。
「ふっ、スマッシュパンチ!」
 雷撃をかわしスマッシュパンチをギガゴルドの頭部に食らわそうとするカービィ。
 だがギガゴルドは攻撃が当たる寸前に雷を放つのをやめ、頭部の周囲にバリアーを作り、スマッシュパンチは撃ったカービィの方を目掛けて跳ね返ってきた。
 しかもそれだけでなく、合わせてギガゴルドはバリアーを解除してから角から雷撃を食らわそうとしてくる。
「ぽよッ!?」
「グギアアアァァッ!」
 跳ね返ってきたスマッシュパンチとギガゴルドが放った雷撃を避けるカービィ。
 遠距離が不利と見たカービィは、今度は近距離戦に切り替えようとギガゴルドとの距離を詰める。
 充分距離を詰めたところで跳躍し、右足をギガゴルドに向かって突き出す。
「ハイキックッ!!」
「グガアァァァウゥゥゥッ!!」
 ビカビカビカッ!!
 右足による蹴り上げ攻撃をしてきたカービィを見て、ギガゴルドは角から激しい光を発した。
「ぽよ…!」
 眩しい光は目くらましとなり、カービィは動きを止められる。
 動きが止まったカービィをギガゴルドは掴んで投げ飛ばした。
「ぷあああッ!」
 地面に叩き付けられ、カービィは起き上がろうとするがバタファイアとの戦いで消耗した体力とエネルギーが回復しておらず、既にヘロヘロの状態となっていた。
「グガアァァゥゥゥ!」
 立ち上がれないカービィに接近してくるギガゴルド。
「カービィ!立って!!」
 戦いを見守るフームはどうすることも出来ず、カービィを心配する。
「ぽ…ぽよ…」
 バリバリバリバリッ!!
 立ち上がろうとするカービィにギガゴルドの雷撃が容赦なく炸裂。
 爆発でカービィは空中へ吹っ飛ばされ、岩の上に落下してカービィがぶつかった岩は粉々になる。
「カービィ!!」
 フームは思わず叫んでしまうが、砕けて岩が無くなった場所にカービィは立っており、次の攻撃をするためにまたギガゴルドに向かって駆けて行く。
「バルカンジャブ!」
 弾速が速い気弾が次々とギガゴルドの方へと飛んで行くが、ギガゴルドは怯まず避けようともしない。
 バルカンジャブが当たった箇所からは火花が飛び散るが、身体の方には傷1つ付いていなかった。
 走って近づいたカービィは跳躍し、後ろに一回転をしながらそのままギガゴルドの顔を蹴り上げる。
「ムーンサルトキック!」
 ドギャッ!!
 カービィの蹴りそのものはギガゴルドの顎に命中した。
 が、ギガゴルドは痛がる様子を見せない。
 カービィはそれに驚きつつも、今度は空中から右足を突き出し急降下する。
「スカイキック!!」
 ガシッ!!
 急降下キックも受け止められてしまい、ギガゴルドはカービィを掴んだままニヤリと笑ったような表情を見せ、抵抗することが出来ないカービィを地面に落とし乱暴に蹴飛ばす。
「ぷわあッ!」
 吹っ飛んだカービィに追い撃ちをかけるべく、角からフルパワーで雷撃を発射したギガゴルド。
 動けないカービィにそれは直撃した。
「うわああぁぁぁぁッ!!」
 カービィは強烈な雷撃によって感電し、激痛に悲鳴を上げて倒れてしまう。
カービィ!!!!
 カービィが倒れ、フームの悲痛な叫び声が荒れ地に響いた。
 魔獣達の容赦の無い猛攻の前に早くもカービィ、ナックルジョー、シリカの3人の星の戦士は倒れていく。
 傷だらけの彼らに勝ち目はあるのだろうか…。

 カービィ達が魔獣達に苦戦している最中、戦いを挑んできたグリルとウィズの2人に対し1人応戦することを決めたメタナイト卿。
「ブロックアヴァランチ!!」
「ッ!?」
 上空に大量に出現した爆弾ブロックを、マントを変形させた翼で素早く横に移動してメタナイト卿はブロックの爆発を避ける。
「今日はドッグスペシャルを見せてやろう!!」
 そう言ってウィズがシルクハットから召喚したのは文字通り犬型の魔獣であるティンダロスとドンゴロスだった。
「バウバウバウッ!!」
「グガウウゥゥッ!!」
 2匹の犬型の魔獣は吠えながら、ティンダロスは口からの鋭利な舌と背中からの触手を伸ばして遠くから、ドンゴロスは頭を縦2つに割った状態で挟み込もうと跳躍してメタナイト卿を襲う。
「ギャラクシアソードビームッ!!」
 ズバババババッ!
「「ギャアアアウゥゥゥゥ!!」」
 先に近づいて来たドンゴロスが、次に遠くから攻撃してきたティンダロスがメタナイト卿のギャラクシアソードビームで真っ二つになり、空中にいたドンゴロスをメタナイト卿は蹴り飛ばしてカービィ達がいる崖の下へと落とす。
「犬祭りはまだ終わっていない………次はこれだ!」
 続いてウィズがシルクハットから召喚した魔獣は、以前チクタクが呼び寄せた魔獣の1匹・バーナードッグと、もう1匹ブルドッグのような顔をした、1頭身の身体で右手にマッシャーやメイスナイトが持つ物と似た鎖付きの鉄球を持った魔獣であった。
「行け、バーナードッグ!ブルハンマー!」
 ウィズが指示を出すとバーナードッグと、もう1匹のブルハンマーと呼ばれた魔獣がメタナイト卿に向かって攻撃を仕掛けてきた。
 バーナードッグの吐く猛毒の黒煙と、ブルハンマーがぶつけてきた鉄球の一撃をかわし、メタナイト卿は上空から跳び蹴りを繰り出してきたグリルを受け止める。
「ウィズは自分で戦うことが不得意だから実質3対1の戦いね!さて、どうするのかしら?」
 相変わらずの余裕と笑みを見せながらグリルはギャラクシアを踏み台にしつつバック転をし、フレイムボールをメタナイト卿に飛ばす。
 バーナードッグも援護をすべく口からメタナイト卿に火炎を吐きかけてきた。
 すぐにかわそうとするメタナイト卿だが、反応が一瞬遅れてマントを火球が掠る。
「ちぃッ!」
 メタナイト卿はマントに点いた火を消火し、マントを翼に変形させて空を飛びバーナードッグに急接近、ギャラクシアに緑色の雷を纏わせそれをそのままバーナードッグの腹部に突き刺す。
 グサッ!バチバチバチバチッ!!
「グワアアアアァァッ!」
 緑色の雷を体内に流し込まれ、バーナードッグは内部から爆発して木端微塵となった。
 続いてブルハンマーが鉄球をぶつけてくるも、飛び立って真上に攻撃を避けたメタナイト卿はギャラクシアから波動斬りを2発飛ばす。
「グオォォォッ!」
 耐久力に優れていなかったブルハンマーは炎に包まれ、黒焦げにされた。
「くッ…こうもあっさりとやられるとは…」
 魔獣を召喚したウィズは悔しそうに目を細める。
「やるわね!!」
 自身の援護をしていた魔獣が倒されたことを知りながらも、攻撃の手を休めはせず、グリルは蹴りを次々とメタナイト卿に繰り出していく。
 それを冷静にかわしていき、メタナイト卿はグリルの隙を見逃さずギャラクシアソードビームを撃つ。
「!?」
 飛んで来た攻撃に驚いたグリルは目を見開き、後ろに跳んで両手でバリアーを作り、ギャラクシアソードビームを防いだ。
 距離を取ったグリルはメタナイト卿の方を見てニヤリと笑い、何かに気付いたかのように口を開き話し始める。
「へぇ〜。私に攻撃や戦法を読まれないように、無心のまま感覚で戦っているのね…」
「お前が戦う相手の攻撃や戦法を読み取ることが出来ている可能性があるというのは、ナックルジョーから聞いていた。そして、何度も戦って試すうちに、その可能性は確信へと変わった。無心で戦えば攻撃も当たるのではないかと考え、今日の戦いで試させてもらっただけのことだ。どうやら最後の私の攻撃は防がないと対応出来なかったみたいだな…」
「うッ…認めたくないけどその通りよ。やっぱり貴方、宝剣ギャラクシアを持つことを許されている騎士なだけはあるわね。改めて只者じゃないことを思い知ったわ…」
 悔しいと同時に焦るような表情を浮かべるも、褒めるような言葉をメタナイト卿に送ったグリル。
「…今日はここまでにしておくね。シミラ、ウィズ!帰るわよ!」
 グリルはシミラとウィズの2体と共に転移魔法で撤退した。
 その様子を最後まで見ることなく、メタナイト卿は急いでカービィ達が戦っている崖の下の方へと向かっていく。

「ぐあああッ!」
 身体の溝が青色をしているメガシルバに尻尾を力強く叩き付けられ、大岩へと吹っ飛ぶシリカ。
 岩が壊れたことにより生じた埃の中でクロスガンからナイフを伸ばして杖代わりにして立つと、光線銃を取り出しメガシルバの目を狙って撃つ。
 ドシュン!バチィィッ!!
「グワアアァァァッ!」
 強力な魔獣とは言えど目は弱かったようで、光線を目に受けたメガシルバは怯み苦しみだす。
「今だ!」
 クロスガンをミサイルランチャーの形態へと変形させ、シリカはミサイルを連射。
「グオオオオォォッ!」
 爆発力の強いミサイルが次々と着弾し炸裂する。
 8発程ミサイルを受けた所でメガシルバはふらつき、歩みを止めた。
「これで終わりにしよう…!」
 メガシルバがよろけたのを見たシリカはクロスガンを背中に背負い、光線銃の出力をアップさせて使用する。
 バシュン!バシュン!バシュン!
「グガアァァァァァ……」
 出力が上がった光線銃の攻撃を3回連続で浴びせられたメガシルバは胸部から火花を散らしながら大地へと倒れ、動かなくなった。
「はぁッ…はぁッ…はぁッ……や…やった……」
 連戦で蓄積した疲労とダメージで息を荒くし、シリカは両手を地面につく。
 そして苦しい表情をしながらもメガシルバの様子を確認すると、メガシルバの目の光は消えており、彼女は倒したことを確信してそのまま安心したように座り込む。

 身体の溝の色が赤いメガシルバは壁に減り込んだ状態のナックルジョーを何度も蹴り飛ばし、痛め付けていた。
「グガアァァッ!」
「ぐわああ……!」
 蹴られる度に苦しむナックルジョー。
「グワウウゥゥッ!!」
「くッ!」
 メガシルバが再び足を上げ、蹴ろうとした時、ナックルジョーは受け止めようと両手を前に出す。
 ジョーはメガシルバの右足を掴み、減り込んでいた岩壁から抜け出ると同時に持ち上げた。
「うおおおおぉぉッ!!」
「グガァ!?」
 足を持ち上げられ、メガシルバは地面へと転倒する。
 メガシルバはすぐに立ち上がるものの、直後にナックルジョーが自分の目の前まで走り込んできていて、右手を突き上げて来た。
「ライジンブレイク!」
「グガアァァァァッ!」
 メガシルバから見て左の方の角に渾身のライジンブレイクを叩き込むナックルジョー。
 角は身体とは違い攻撃には弱かったようで、ジョーの拳により圧し折られて吹き飛んだ。
 怯んだメガシルバの後ろを取り、ナックルジョーは尻尾を掴んで持ち上げ、振り回す。
「でやあぁぁぁぁぁぁッ!」
「グワアアアアアァァァァァッ!」
 ジャイアントスイングの要領で回転し、ナックルジョーはメガシルバを斜め上に投げ飛ばした。
「(奴には普通のパワーショットが通じなかった…。爺さんはこの技は1回の戦闘で連続して何度も使うなって言ってたけど、あれだけの威力があるならあの魔獣でも1発で……!)」
 意を決しナックルジョーは右の拳にエネルギーを集中させる。
 エネルギーが右の拳に溜まって光り出し、エネルギーが発する青白い光が真っ赤な色へと変わった。
 それを確認したジョーは右手をメガシルバのいる方向へと突き出した。
「ギガパワーショット!!」
 超高熱を持った真っ赤な色の波動がナックルジョーの右の拳から放たれる。
 ギガパワーショットはメガシルバに向かって真っ直ぐ飛んで行った。
 ズドオォォォォォォォッ!
「ギャアァァァァァァァァァァッ!!」
 角への攻撃以外ダメージらしいダメージを負うことが無かったメガシルバだが、ギガパワーショットには全く敵わず、空中で全身を焼かれた後に大爆発を起こし、完全に消し飛ばされてしまった。
 残ったのはジョーの立っているすぐ横に転がっていた先程折られた角1本だけであった。
「ぐッ……が…ぁ…」
 魔獣との連戦で負った傷とダメージにギガパワーショットを使ったことで自身への大きな反動によるダメージも加わり、体力が限界となったナックルジョーは、全身の痛みに耐えながらもなんとか持ち直そうと左手で自分の身体を押さえつつ、右手を地面に付いて座り、静かに休むことにした。

「カービィ、立って!」
 フームの助けもあり、何とか起き上がることが出来たカービィ。
 しかしギガゴルドが放った雷撃のダメージは大きく、まだ身体は痺れていて素早い動きは困難な状態となっていた。
 しかもギガゴルドは異常に強固な皮膚とバリアーを持っており、カービィの攻撃を全く受け付けない。
 この能力を前にどうすることも出来ないカービィは防戦一方となってしまった。
「スマッシュパンチ!スピンキック!」
 カービィの撃った気弾はギガゴルドの顔面目掛けて飛ぶが、ギガゴルドは顔の周りにバリアーを張って防いでしまう。
 スマッシュパンチとスピンキックはカービィの方に跳ね返り、命中する。
「ぽよぉッ!」
 自身の攻撃をカービィはそのまま受け、ギガゴルドは雷撃で攻撃もしてくる。
 雷撃を浴びたカービィはまたもダウンした。
「…ん?」
 だがこの時、ギガゴルドの様子を見てフームはギガゴルドの先程の行動も思い返す。
「(カービィの攻撃が跳ね返ってくるあの半透明な結界を使ったのは、さっきも今も、顔に攻撃が命中しそうになった時…?で、角から電気を出して攻撃するときは、わざわざ結界を自分で消してからしている…。もしかして……!)」
 魔獣の特性に気付いたフームはカービィの方に駆け寄り、小声で彼にある提案をした。
「カービィ。あの魔獣の顔の方にもう1回攻撃することは出来ないかしら?」
「ぽよ?」
「いや、跳ね返されるかもしれないけど…とにかくまずはやってみて」
 フームの提案をカービィは受け入れたようで、頷いて言われたことを実行する。
「バルカンジャブ!」
「グルルルル…」
 ギガゴルドの顔面を狙ってカービィはバルカンジャブを使う。
 『無駄だ』と言わんばかりに気弾はカービィとフームのいる方へとバリアーで跳ね返されてしまう。
 ドガァン!
「ぽよぉッ!」
「きゃッ!」
 跳ね返った気弾が爆発し、それが2人への目くらましとなる。
 更にギガゴルドは2人に向かって雷撃を放つ。
「危ない!カービィ!」
 バリバリバリバリッ!!
「うわあぁぁぁぁぁッ!!」
「きゃあぁぁぁッ!!」
 フームはカービィを庇おうとしたが共に雷撃を食らい、2人は大きく吹っ飛ばされる。
 雷撃のダメージでカービィは変身が解けてしまい、フームも感電したと同時に吹っ飛んで地面に叩き付けられた衝撃で左腕を負傷した。
「うぅッ…」
「ぽよ…」
「ガウゥゥゥゥ…」
 倒れた2人にギガゴルドが接近し、爪を振り下ろそうとする。
 だがそこに上空から影が飛んで来た。
「カービィ!フーム!!」
 影は2人を掴んで飛び、岩陰へと運ぶ。
 ギガゴルドの爪攻撃は2人から外れたが、その攻撃は空間を裂いて歪ませた。
 2人を突然見失ったギガゴルドは周囲を探し出す。
「カービィ、平気…ではなさそうだな。フーム、なんて危険なことを…!」
「ん…その声は……」
 フームが目を開くと、目の前にいたのはグリルとの戦闘を終えたメタナイト卿であった。
 彼が2人の危機を救ってくれたようだ。
「すまない…また助けるのが遅れてしまった…。しかし、フーム。何故あの魔獣の前に飛び出した…?」
 カービィもフームも目を覚ましたところで最初にメタナイト卿は2人に謝罪しながらも、フームに危険な行動をした理由を訊いた。
「危険なことをしたのは私も謝るわ…ごめんなさい。でも!あの魔獣の弱点がわかって、それをカービィに教えたかったの…!」
「弱点…?」
「ええ。あの魔獣、攻撃を跳ね返す結界を作る能力を持っていて、それに身体もカービィのどんな攻撃も通用しなかったわ…。でもその結界を作る能力に穴があったのよ」
「ぽよ?」
 カービィとメタナイト卿はフームの話を一言も聞き漏らさないように注意して聞いている。
「あの魔獣は、攻撃が顔に当たりそうになった時にしか結界を使わないの。身体のそれ以外の場所に攻撃を受けるときはそのまま受けていたわ。尤も、それでもカービィの攻撃は通用しなかったのだけれど…。それに、角から電気を出して攻撃する時は、わざわざ結界を自分で消してから攻撃しているの。このことから、もしかするとだけどあの魔獣は、顔のどこかに弱点があってそれを守る為に結界を使っていて、その結界も自分が攻撃するときには出せないんじゃないのかしら?」
「…短時間で、それも少しの情報だけでよく分析したな」
 フームの説明を聞いたメタナイト卿はその分析力に感心していた。
「だから……うッ…!!」
 続きを説明しようとしたが、フームは左腕の傷口を痛みのあまり押さえる。
 傷口からは赤い血が流れ出ていた。
 それを見て、メタナイト卿は持っていた白い布をフームの左腕に巻いて止血する。
「あ…ありがとう……」
「すまないが今はこうすることしか出来ない。戦いが終わった後でギャラクシアの力を使ってカービィ、ジョー、シリカと一緒に治療しよう。それまで我慢していてほしい…」
「…わかったわ。メタナイト卿、本当にありがとう…」
 頼れる存在としてだけでなく、異性として見るようになった相手であるメタナイト卿に近くで顔を見て話され、思わずフームは傷口の血を止血してくれたことに感謝しつつも赤面してしまった。
「どうした?顔が赤くなっているが…具合でも悪いのか?」
「…え!!?い、いや!ただ…ううん!やっぱり何でもないわ!」
「…?」
「ぽよ?」
 顔が赤くなってることを気付かれ、焦り出すフームをカービィとメタナイト卿は不思議そうに見ている。
「そ…それよりも!さっきの話の続きをするけど…良いかしら?」
「う、うむ。私とカービィはあの魔獣とどう戦えば良い?」
「結界が作れない時…つまり角から電気を出してる時にあの魔獣の顔を攻撃してほしいの!そうすれば、あの魔獣が守っている顔に攻撃が当たる筈よ…!」
「よし。そなたが言うような能力をあの魔獣が持っているとすれば、それしか方法は無いようだな」
「でも今、カービィは変身が解けて…」
「それなら、そこにあるのを使ってほしい」
 メタナイト卿が示したすぐ後ろにあったのは、メタナイト卿がグリル達との戦闘の最中に蹴り落としたドンゴロスの死骸だった。
 その死骸にメタナイト卿は歩み寄り、ギャラクシアで何かを斬るとまたカービィとフームのところまで戻ってくる。
「魔獣の死骸…?」
「カービィ。これを吸い込むんだ」
 メタナイト卿がカービィに差し出したのはドンゴロスの毛であった。
「カービィ、吸い込みよ」
 フームの指示を聞き、カービィはドンゴロスの毛を直接飲み込む感じで吸い込む。
 ドンゴロスの毛を吸い込んだカービィはアニマルカービィに変身した。
「では行くぞ、カービィ」
「ぽよ!」
「気を付けてね、2人とも…!」
 フームが見守る中、カービィとメタナイト卿は岩陰からギガゴルドの前に姿を現す。
「グガアァァオォォォォッ!」
 カービィ達を見つけたギガゴルドは雄叫びを上げ、早速まずはカービィに対し雷を角から発してきた。
 カービィはアニマルカービィになったことで得た能力で地中に潜ってかわす。
 ギガゴルドは地面を盛り上げて地中を進むカービィに向かって雷撃を追うようにして出し続ける。
 しかし、それこそがカービィ達の狙いだった。
 ギガゴルドがカービィに気を取られてる隙にメタナイト卿は空へと飛び立っており、ギガゴルドの右斜め上空からギャラクシアソードビームを撃った。
「うおぉぉぉッ!!」
 ズバアァァッ!
「ギャアァァァァァ!?」
 雷撃を発していた最中のギガゴルドはバリアーを顔面に張ることが出来ず、顔にメタナイト卿の攻撃が命中。
 倒すまでには至らなかったものの、ギガゴルドの角は2本とも破壊された。
 角を破壊されたギガゴルドは攻撃を続行しようと雷撃を出そうとするが、それが発されることは無かった。
「やっぱり角が弱点だったのね…!あの魔獣は角だけが脆く、そこを壊されると何も出来なくなる…」
 フームは先程のカービィを寄せ付けぬ強さを誇っていたギガゴルドが角を破壊された途端、嘘のように弱体化したのを見て、自分の推測が間違っていなかったことを確信する。
「グガッ……グ、グギイィィィ!!」
 角を壊されて無抵抗の状態になったギガゴルドは逃走を図ろうとする。
 しかし、逃げようとするギガゴルドの目の前からは地中に潜っていたカービィが飛び出し身体をその場で回転させ、突撃してきた。
「ドリルアタック!!」
「グギャアァァッ!」
 ドリルアタックを受け、転倒するギガゴルド。
「カービィ、私の後ろに下がれ!」
 メタナイト卿に呼ばれてカービィはメタナイト卿の背後に隠れ、メタナイト卿はギャラクシアにエネルギーを溜め、起き上がろうとしているギガゴルドに対して『竜巻斬り』を放つ。
「竜巻斬りッ!!!」
 ゴオオオォォォッ!!
「グワアァァァァァァァァァッ!!!」
 ギャラクシアから放たれた巨大な竜巻に巻き込まれ、ギガゴルドは全身から火花を散らし、息の根を止めた。
「やったわね!」
「ぽよ!」
「うむ」
 フームが魔獣の能力を観察していたことから考えた作戦が功を奏し、カービィとメタナイト卿はマルクが放った金の魔獣・ギガゴルドを無事に撃破。
 3人は同じく銀の魔獣・メガシルバとの死闘に勝利したが傷だらけで動けない状態のナックルジョーとシリカを助けるべく彼らのところへと向かう。


 〜ウィザード・フォートレス 司令室〜

「これがプププランドのデデデが、魔獣ポポンに飲ませたというギルコン産の40年物の赤ワインか…。ふんッ、特別美味いというわけでもなければ、とても不味いというわけでもないな…」
 司令室ではドロシアがマルクやグリルが不在な為、ワイングラスを魔法を使って持ちつつパラマターを通してカービィ達の様子を監視していた。
 そこに、アクアリスから帰ってきたマルクがやってくる。
「すまないな、ドロシア。司令室の番をやってくれていたのか」
「あぁ、一応な」
「ポップスターに向かわせたギガゴルドとメガシルバはどうした?」
「残念だったな、マルク。奴らはカービィ達によって全滅した。それ所か、シャードロも戦いに敗れて死んだ」
「な……に…!?あの3体に加えて、シャードロまでもだと…!?」
「どうした?お前にしては珍しくショックなようだが…」
「うん。今回はまさかやられるだなんて思ってもいなかったよ。3体とも戦闘経験が足りなかったのが敗因か?いや…バリアーであらゆる攻撃を弾き返し、少しながら空間を歪ませる程の能力を持ってるギガゴルドもいるのに、簡単に負けるとは思えない…。誰が奴の能力を見破った…?奴等の中でもそれなりに賢い方であるメタナイト卿か?ナックルジョーか?」
「そのことについてだがな。ギガゴルドの能力の秘密と弱点を看破したのは、メタナイトでもナックルジョーでもない。カービィと常に行動を共にしている娘のフームだ」
「…そういうことか。あの女がギガゴルドの能力を…」
「卑劣なお前のことだ、フームを星の戦士と共に始末するのか?奴はお前にとって脅威となるやもしれぬぞ?」
「…いや、やめておこう。あくまでも僕が殺したいのは星の戦士達だけで、民間人は殺したくない。だが、あの女は確かに賢いとは聞いていたが、僕はその頭脳を少々見くびっていたようだ…」
「で、お前は結局どうするつもりだ?」
「そうだな。取り敢えず場合によっては危険視すべき存在…とだけ頭の中に入れておこう」
 マルクとドロシアがギガゴルド達の敗因について話している最中、司令室にボーラルが入ってきた。
「マルク様。やはりここにいらしたんですか」
「ボーラル、何の用だ?」
「先日から改造手術を受けていた私の兄さんのそれがたった今終わりましてね…。報告にやって来たのですよ」
「そうだったか。それで、そのマキリタはどこにいる」
「勿論一緒に来ておりますよ。ねぇ、兄さん…?」
 ボーラルがそう言うと、司令室には原型は崩れてはいないものの、半分生身で半分機械だったボーラルとは違って全身が殆どコウモリを模したかのような機械で構成されたマキリタが入室。
「待たせたな、マルク。こいつが俺の新しい身体だ」
「下っ端ども曰く、兄さんはかつての私よりも重傷を負っていたため、生身の部分は殆ど残さない形になったそうです」
「この新しい身体にはすぐに馴染んだ。お前のことは気に食わんが、今回は感謝しているぞ」
「生み出してくれたことにも感謝してくれてほしいのだがな。それとお前たち2人が来てくれて丁度良かった。お前達に話しておきたいことがある」
「はて…それはいったいなんでしょうか?」
「早く話せ。俺は次はこの身体の性能を試したいんだ」
「そう焦るな、今から話していくんだから。お前達2人には明日、ポップスターに向かってもらう。理由はわかるな?」
「先日既に話されたことでしたか。成る程、私達兄弟にカービィ達を倒して来い…と?」
「そうだ。やれるだろう?明日のプププランドの時間が正午を回ったら、カービィ達を始末するためにそこに行け。それまでお前達は双方とも最終調整をしておくんだ。良いな?」
「わかりました。カービィ達の始末はわたくしボーラルにお任せください」
「弟と組むのはあまり気に食わんが…良いだろう。貴様と星の戦士どもに俺の新しい力を見せ付けてやる」
「決まりだな。それじゃあお前達2人は僕がさっき言ったようにしろ。時間になれば僕が呼びに行く」
 マルクはボーラルとマキリタの昆虫魔獣兄弟に明日のことについて命じると、2体は司令室から出て自分達の調整に向かった。
「…フッ、そうだ。それで良いんだ」
 マルクは意味ありげな感じでニヤリと笑う。
「また何か企んでいるな?マルク…」
「いや、別に。それよりもだ、お前はグリルが今どこにいるか知らないのか?」
「さあ。ポップスターでギガゴルド達に合図を送り、メタナイトと一戦交えた後はこっちに帰ってくると思ったが…まだ帰って来ていないな。恐らくシミラとウィズは一緒にいるだろうがな」
「まったく…あいつはどこで油を売っているんだ……」
 相変わらず勝手に行動をするグリルに呆れるマルク。
 一方でボーラルとマキリタの昆虫魔獣兄弟がマルクの命令で星の戦士打倒に動き出した。
 だが、ポップスターからハーフムーンに真っ直ぐ帰ってきた筈であろうグリルはいったいどこへ消えたのか…。




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