副編集長の鎌田様作・アニメ版星のカービィ 第2期予想小説
第14話
〜ミイラ魔獣襲撃〜



 ここはMTS本部ウィザード・フォートレスのマルクの部屋である社長室。
 マルクは魔獣研究を一度中断して一休みしているところであった。
 そんな彼のところに、今日も妹であるグリルがやって来た。
「あれぇ?お兄ちゃん魔獣の研究をしていたんじゃないの?もう終わったの?」
「全部は終わっていないけどね。今日は『プロジェクトG』の第1工程である『エスケル魔獣黄帝液』の研究と『風邪ウィルス魔獣の試作』という作業が終わったから、第2工程のことを考えながら一休みしようとしてたんだ」
「それはいいんだけどさお兄ちゃん。私ちょっと質問があるのだけれど…」
「なんだ?話によるが、何でも聞くよ?」
「お兄ちゃんはなんで魔法だけじゃなく科学関係のこともするの?私たちには魔法があるのに。そもそもうちの組織は『魔法でものを言わせる組織』じゃなかったの?」
「それはねグリル。僕はある学者の考えに最近になって共感するようになってきたからだよ」
「ある学者?」
「そうだ。この本の中身の論文を見てくれ。こいつをどう思う?」
「なによその言い方。お兄ちゃんウケでも狙ってるの?」
「…いいから真面目にその本を読め」
 グリルはマルクに分厚い本を渡され、マルクが開いたページの部分に書いてある論文を読み始めた。
「ん〜?『魔法を人が使用すると必ず間違った方向にその力を使い、その者自身の破滅を招くであろう。破滅は無かったとしても、そのような力を手に入れた者は魔法に頼りすぎて不器用となり、退化する。そして、魔法と科学の違いはそこである。魔法は便利ではあるが人は不器用になり、科学は便利ではあるが人は器用になり、進化する。魔法と科学は似て非なるもの、つまり似ているようで全くの別物である。魔法と科学が一緒のものであることは有り得ない。人は全員が全員魔法を使えるわけではない。皆科学の力に頼る事になるだろう』?どういう意味よ、これ?全然意味がわかんないんだけど…」
「書いてあるとおりの話だ。確かに科学の力は生き物を進化させる。より便利なものを作り出せるように。僕はこれに共感し、生まれつき手先が器用であるのが衰えるのが嫌と思って、科学の力のほうも侵略のために導入したんだ。そして科学的なことは興味深くて僕の趣味でもあるからね。ただ、その論文に書いてある『破滅』は大げさだとは思うが…」
「お兄ちゃんにしては珍しいよね、今までは『自分は自分』という信念を突き通していたのに、論文なんかに共感しちゃって…」
「『宇宙全てを侵略する事』は僕も初めてやることだから、様々なものを活用していきたいと思っているんだ。それとグリル、今日は僕が『プロジェクトG』を進めている間、下っ端のプランクやマドゥーたちにウィザード・フォートレスを一部改造させたんだ。どのように改造されたか気になるよな?」
「え?あ、うん!気になるよ!どんな風にしたの?」
 グリルの反応を聞いたマルクは続けて話す。
「警備を更に強化をするべく、施設のほぼ全てにトラップを仕掛けたんだよ。ガンカメラやギロチン、レーザー攻撃システムとどれも侵入者に対しては引っ掛かれば終わりのものばかりの罠だ。当然、僕たちなどの関係者や魔獣に対しては作動しないようになっているから安心してくれ」
「そんなに強いのを作ったの?」
「ああ。そうだけど?」
「じゃあさ、私がテレポート能力で直接星の戦士をここの本部に連れてきた後に罠を作動させて、ギロチンやレーザー攻撃システムで首を斬り落としたり、ガンカメラで頭を撃ち抜いたりすればすぐに殺せるじゃん。そうすれば、宇宙を支配するのも簡単だと思うんだけど」
 グリルが自分が思いついたことをペラペラ喋ると、マルクはいつものように呆れたような返答をした。
「またお前はそんな事を言っているのか。そもそも、まだこの程度の罠じゃカービィを倒すことはできないよ」
「え?どうして?」
「カービィはHN社の残したデータによると地面と同じくらい低くしゃがむ事ができて、なおかつワープスターなしでもホバリング能力を持っているから、簡単な飛行は可能とされている。そんな奴はここに仕掛けてある罠に引っ掛かったりはしないだろう。中でも規則的な動きをして標的を切り刻むレーザー攻撃システムは特に通用しないと、僕は思う。それに彼には首が無いからギロチンも無駄だし、ガンカメラに至っては弾丸及び光弾を吸い込まれて攻撃を無力化され、しまいには破壊されるだろう」
「カービィは無理でも他の戦士を連れてくればいいじゃん。そうすれば一網打尽でしょ?」
「はぁ…何度も言うようだけどな、グリル。僕たちの優先すべき標的はカービィとメタナイト卿に限るんだよ。他の戦士を殺すのは優先すべき二人への対策を考えてからだ」
「あ…またヘンなこと言っちゃってご、ごめんねお兄ちゃん」
 マルクの喋り方が変わったため、怒るのではないかと察したグリルは素直に謝った。
「わかればいいよ、わかれば。さて、僕はまた研究に戻るとするかな」
「え?もう休憩終わっちゃうの?私と一緒にご飯食べたり、遊んだり、ドロシアのパイプオルガンの演奏を聴いたりしようよ〜?」
 グリルは退屈だったらしく、マルクを誘おうとした。
「遊ぶのもいいけど、今は研究のほうに集中したいからね。すまないな、グリル。デデデ陛下からの通信が入ったら、適当にそこそこの強さを持った魔獣を買わせるか、僕に黒い雷を落としてくれるように言って欲しい」
「は〜い」
 マルクが瞬間移動で姿を社長室から消した直後、グリルもすぐに社長室から出て行った。


 ププビレッジでは、すでにナイト・バンテッドのメンバーがやって来た日から4日ほど経っていた。
 MTSのマルクが研究に没頭している事もあるが、デデデがここ最近はMTSにあまり注文をしていないらしく、この4日間は何事も無く皆平和に過ごしていた。
 カービィとフーム、ブンの3人はキュリオ氏の家にやって来ており、そこでキュリオ氏が発掘したと思われるあるものを見せてもらっていた。
「実は、また古代プププ文明に関係があるものを発掘いたしましてな…。それがこちらの棺桶の中に入っているミイラなのじゃ」
「み…ミイラ?」
「ぽよ〜?」
「ミイラと言うのは、人為的加工ないし自然条件によって乾燥され、長期間原型を留めている永久死体のことじゃ。すぐ近くで発掘された古代の石版によると、これは神秘的な力があると考えられており、ミイラ作りは死者を後世まで残すなどの目的で行われていたそうなんじゃ。これでまた私の古代プププ文明研究が…」
 キュリオ氏がミイラについての解説をカービィたちに行っている最中であったそのときであった。
 バリバリバリッ!!
「わあぁぁ!」
「な…何じゃ!?」
 キュリオ氏が発掘したその棺桶の中に入っていたミイラに何かが命中したのだ。
 その場にいたカービィたち一行はまぶしすぎる激しい光に襲われたため、目を隠していることしかできなかった。
「い…今のは…?」
「…あああっ!ミイラが消えておる!!」
「え!?あ…あれ?」
「ぽよ〜!」
 光が収まったので目隠しを解いたキュリオ氏が最初に異変に気づいた。
 なんと、その出来事の直後、先ほどまで棺桶の中で眠っていたミイラが跡形も無く消え去ってしまっていたからだ。
「一体何が起きたっていうの?」
 フームは突然の出来事に戸惑ってしまった。
「きゃあああああああああ!」
 カービィたちが消えたミイラを探そうとすると、今度は外から村人たちの悲鳴が聞こえた。
 カービィたちは外に出て様子を見ると、全身が包帯でぐるぐる巻きになっており、その身体に仮面のような飾りと青いバラのような飾りがついている謎の3頭身の人物らしきものが村人を襲っていた。
「キュリオさん、あれは…さっきのミイラじゃないか?」
 姿を見て不審に思ったブンがキュリオ氏に言った。
「ん?ああ、間違いない!あれはさっきまで棺桶に入っていたミイラじゃ!」
「村人たちよ、俺のしもべになるがいい…!!」
 そのミイラ男は身体についている仮面のような装飾からその無数の仮面を逃げ惑う村人に向かって飛ばし始めた。
 仮面は逃げ惑っていた一部の村人の顔に貼りつき、仮面を顔に貼り付けられた村人はその場に倒れこんでしまった。
「キュリオさん、家の中に隠れてて!」
 フームはキュリオ氏に家に隠れるように言うと、カービィやブンと一緒にそのミイラ男の目の前までやって来た。
「貴方も魔獣なのね!?」
「そのとおりだ。俺は生まれながらにして心の中で呼びかける声によって星の戦士とやらを潰せ、と言われててな」
「カービィと戦う気なの!?」
「星の戦士であるならば、ここで魂を吸い尽くして倒してやろう」
「カービィ、あいつをやっつけろ!」
「ぽよ!」
「でもブン。今ここにはカービィが吸い込んで変身できそうなものがないわ…」
 周りの状況を見ていたフームがカービィに戦わせようとするブンに言った。
「え?そ…そういえば…」
「まずいわね、ここはどうしたら…」
「戦う力を持たない星の戦士…か。倒すのは意外と簡単そうだな…」
 ミイラ男はカービィに向かって殴りかかろうとした。
「カービィ、ブン!3人で逃げるわよ!」
「え!?」
「今この場所はカービィが戦えるような状況じゃない…。どこか変身できそうなものがありそうな場所に逃げてそこであいつを迎え撃ちましょ!」
「でもその道具が見つからなかったらまずいんじゃ…」
 カービィたち3人が逃げて別の場所で戦おうか考えていて、ミイラ男が襲い掛かろうとしていた、そのとき。
 ドカーン!
「うおぉぉ…!」
 ミイラ男に何か爆発物がぶつかり、そのまま吹っ飛ばしたのだ。
「あ…貴方はシリカ!」
「助けに来てくれたのか?」
「ぽよ〜!」
 ミイラ男を吹っ飛ばしたのはシリカ。カービィたちの危機を見たシリカは改造銃からミサイルを撃ち、ミイラ男に攻撃を仕掛けたのだ。
「貴方…どうしてここに?」
「たまたま散歩していたら村が騒がしくてここまで来たんだ。そうしたら貴方たちが魔獣に襲われていたから…。それよりも、カービィ、フーム、ブン!今の内に早く城に行って!」
「え…それはどうして?」
「決まっているだろう?城にいるメタナイト卿やジョーとかに今の状況を報告するんだ!あの魔獣とは私が戦う!」
「でも…任せてもいいの?」
「いいから早く!」
 シリカの言った事にフームは頷き、カービィとブンを連れてデデデ城の方向へ走り出した。
「ぐ…追え、お前たち!」
 倒れていたミイラ男が腕をかざすと、仮面を顔につけられた村人たちが起き上がり、走っていったカービィたち3人をゾンビのような動きで追い始めた。
「(村人を操っている?やっぱりあのような被害者がまたでないように、別の場所まで連れて戦ったほうがいいか…?)」
 シリカは一瞬考えてから、ミイラ男に立ち向かった。
「お前のような卑怯な奴は許せない!私が倒す!」
「ふっ!」
 ミイラ男は走ってきたシリカをジャンプでかわして誘い出すような動きをし始めた。
「好きなところへ行かせるものか!」
 シリカはミイラ男に飛び掛ってから蹴りを入れ、村のメインストリートから追い出す。
 そしてシリカもミイラ男を追い出した方向に向かった。

 カービィたち3人は、メタナイト卿とナックルジョーに状況を報告するべく、城を目指して走っていた。
 だが、後ろからはあのミイラ男に仮面をつけられた村人たちが追ってきていた。
「姉ちゃん、あいつが言っていた『しもべになれ』ってのはこういうことだったんだな!」
「ええ、あいつはどうやらあの変な仮面をつけた対象を自由に操る事ができるみたいね…」
「足止めする方法は何か無いかな?」
「う〜ん…、やっぱり今は逃げることしか…」
「足をちょっと速めようぜ!」
 ブンがそう言ってから、カービィたち3人は足の速さを速めた。そして…。
「やっと城に着いたぜ…」
「ぽよぉ〜…」
「早くメタナイト卿たちのところへ行こう!」
 3人は城の中へ入り、最初にメタナイト卿の部屋へ入った。
「メタナイト卿、大変よ!」
「フーム!?」
「今、村に突然魔獣が現れて皆を襲い始めたのよ!襲われた人はなんかおかしくなっちゃって…。今、騒ぎの原因のその魔獣はシリカが一人で戦っているけれど、助けに行ったほうが…」
「またMTSの魔獣か…。それをナックルジョーは知っているのか?」
「いえ、まだこれから…」
「そうか。では私も一緒に行く」
「一緒に来てくれるの?」
「ああ、MTSについてはまだ私もよく知らないからな。それからお前たち!」
 メタナイト卿は呼びかけをするとソードとブレイドの二人、そして先日仲間になった元ナイト・バンテッドのメンバーたちが彼のところへやって来た。
「外を見てみろ…」
 そう言われたメタナイト卿の部下たちは城の外を見る。
「あれは…なんだ?」
 城の外には、ミイラ男によって操られた村人たちが複数周囲を徘徊していた。
「恐らくあれがフームの言っている襲われた村人たちだろう。お前たちはあの村人たちを足止めしてくれ。だが、できるだけ傷つけないように頼む!」
「はっ!」
 騎士たちは返事をすると全員で外へ走っていった。
「メタナイト卿、ナックルジョーは今どこにいるの?」
「先ほどまでは城の借りている部屋でトレーニングをしていたな。まだそこにいるのかどうか…」
「わからないけど、とりあえずその部屋に行ってみましょ!」

 カービィたちが無事に城に着いたのと同じ頃。
 シリカは村で暴れていたミイラ男を追い詰め、ある平地で戦っていた。
「ふっ!」
 ゴォォォォォォ!
 シリカは改造銃から火炎を噴射し、ミイラ男を攻撃した。
 ミイラ男のほうは直撃はしなかったようだが、火炎がかすって身体の一部が少し燃えた。
「ぐぅ!」
「ミイラには火が一番効くだろ?何しろよく燃えるしな」
 その後もシリカは火炎放射を連発し、相手に反撃の隙を与えないように絶え間なく攻撃した。
 ミイラ男のほうは避けるのに精一杯で、そのような状況の中で攻撃できるはずが無かった。
 だがそんなとき、シリカにとっては危機、ミイラ男にとっては反撃のチャンスが訪れた。
 カチッ カチッ…
「!?ね、燃料切れ?くそっ、こんなはずじゃ…!」
「ようやくこのときが来たか。燃料切れを待つまで少し苦労したが、これでもう終わりか…」
「くっ!」
 なんとミイラ男は最初から燃料切れを狙っていたらしい。
 シリカは改造銃からナイフを出し、応戦するが、接近戦では肉弾戦が得意らしいミイラ男のほうが有利だった。
「うわっ!」
 ミイラ男のキックがシリカを吹っ飛ばす。続いてミイラ男は口と思われる部分から紫色の煙を吹き出し始めた。
「うっ…げほっげほっげほっ!」
 咳き込んでいるシリカにミイラ男は追い撃ちをかけるように、目からビームを彼女に向かって放った。
 ビィィィィッ!
 そのビームに相手を傷つける力は無かったようで、シリカはダメージを負うことはなかった。
 しかし、彼女は自分の身体に何か違和感を感じた。
「か…体が…動かない……!」
「喰らえ!!」
 ミイラ男は全身の包帯を触手のように伸ばし、身動きの取れなくなったシリカの首と両腕、腹部にそれを巻きつけた。
「う…ぐ…!」
 シリカは最初は何をされているのかわからなかったが、次第に自分の全身の力が抜けていき、身体に疲れが溜まっていくような感覚に気がつき始めた。
「あ…う…」
「もう充分だろう…」
 ミイラ男は伸ばしていた包帯を元に戻し、シリカを解放した。
 それと同時にシリカの身体の硬直も解けたが、シリカは身体を動かす事ができなかった。
 実はミイラ男に戦う気力や生命力、つまり体力の一部を吸い取られ、身体に疲労感を感じ、身体が重すぎて動く事ができないという状態になっていたのだ。
 そんな状態となってしまったシリカは立っていることができなくなり、その場に座り込んでしまった。
「うぅぅ…」
「もうこれで終わりにしてやろう…!!」
 弱りきったシリカにミイラ男はとどめを刺そうとした。しかし。
「うおああっ!」
 何者かに飛び道具をぶつけられ、攻撃を阻止させられてしまった。
「何だ!?」
 駆けつけたのはカービィたち3人と新たに呼ばれたメタナイト卿とナックルジョーであった。
「シリカ、助けに来てやったぞ!」
「ジョー…。ごめん…また皆に迷惑をかけちゃって…」
「別にいいんだよ。フーム、ブン!シリカを別の場所まで連れてってくれ」
「わかったわ。さあシリカ、私たちにつかまって!」
 フームとブンは弱っているシリカを抱えてその場から離れた。
「カービィ、まずはこいつを吸え!」
 ナックルジョーはカービィに向かってバルカンジャブを放つ。
 ジョーに言われたとおり、カービィは光弾を吸い込んでファイターカービィとなる。
「ふん、次はお前たち3人の魂を、あいつとは違って全て吸い尽くしてやろう!」
 ミイラ男は包帯を伸ばして最初にカービィを絡めとった。
「ぽよ〜!」
 ミイラ男はそのままカービィを振り回し始めた。
「ふっ!」
 その直後、メタナイト卿がカービィに巻きついていた包帯を斬って、カービィを助け出した。
「「スマッシュパンチ!」」
「ぐおああっ!」
 カービィとジョーのダブルスマッシュパンチがミイラ男に命中。
「はあっ!」
 続いてメタナイト卿がギャラクシアでミイラ男を斬りつける。
 だが、ミイラ男はギャラクシアによる攻撃に耐え、次の瞬間にメタナイト卿の身体を掴み、至近距離で目を光らせてから放つ衝撃波を浴びせた。
「ふん!」
「ぐ…」
 衝撃波を浴びたメタナイト卿からは火花が散ったが、メタナイト卿は衝撃波に怯まず、無防備なミイラ男に波動斬りを浴びせ、反撃した。
「うおぉぉぉっ!」
 ミイラ男は波動斬りの炎をまともに喰らい、全身が炎に包まれた。
「今だ、カービィ!ジョー!」
「ああ!」
「ぽよ!」
 メタナイト卿の合図でカービィとジョーは火達磨の状態となっているミイラ男に向かって走り出した。
「「ライジン…ブレェェェェイク!!」」
「ぐぎゃああああああああ…!」
 カービィとジョーの二人によるライジンブレイクを受けたミイラ男は爆発した後、身体が砂となって崩れ去っていった。
 戦いはカービィたちが勝利したのであった。

 デデデ城の近くで徘徊していた仮面をつけた村人たちはミイラ男が倒されたのと同時に仮面が消え、元に戻っていった。
「村人たちが元に戻ったぞ…?」
「きっと卿やカービィたちがやってくれたのだな」
 メタナイト卿の部下の騎士たちも安心していた。


 〜ウィザード・フォートレス 研究室〜

 ウィザード・フォートレスでは、カービィたちとミイラ男が戦っている間に、マルクがすでに『プロジェクトG』と呼ばれる謎の計画の第2工程に突入し始めていた。
 マルクの周りには、実験を手伝うプランクやマドゥーたちがいる。
「これより、『プロジェクトG』の第2工程に突入する。今回行うことは、風邪ウィルス魔獣の能力調整と、それにエスケル魔獣黄帝液のデータを合成する事だ。それでは、始めようか…」
 マルクの言う『プロジェクトG』とは一体何のことを表しているのだろうか。
 それは、今のところはまだ謎に包まれている…。




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