副編集長の鎌田様作・アニメ版星のカービィ 第2期予想小説
第20話・その3
〜破壊神・ゴッド〜



 〜ウィザード・フォートレス 司令室〜

 デデデと同じく、ゴッドの活躍を見ていた者達がいた。
 パラマターを通して様子を見ていたマルク、グリル、ドロシアの3人である。
「まあHN社の魔獣だったらあんなものよね〜……ってお兄ちゃん?なに下向いているの?」
 グリルは当然の結果につまらなそうな発言をし、ドロシアは黙って様子を見ていたが、
 マルクは今何故だか下を向いていた。
「ねえ、お兄ちゃんってば!」
「ふふふふふふふふふふふ……ふふふふふふふ…」
「ちょっ、お兄ちゃん?」
 グリルは様子のおかしいマルクに困惑している。
「ねえ!」
「はーっはっはっはっは!ふーっはっはっはっはっはっは!!!」
「!!!ど…どうしたの?」
 突然高笑いを始めたマルクにグリルはびっくりして目を丸くした。
「僕の実験は成功だよ、グリル」
「へ?どういうこと?」
「あそこまで強い火力を持った魔獣は奴が初めてだ。グリル、今からお前はポップスターへ行け」
「え?な、何を言ってるの?」
「今のあの状態のゴッドを捕らえてこい。…いや、捕らえるのは難しいし、捕らえたところで言う事を聞かないから奴の肉の一部と血液だけ採取してくればいい。僕はその破片や細胞などからまた奴が作れるかを、今度は実験したいんだ」
 マルクはどうやらゴッドの強さに感動していたようだった。
「え?でもあれよりもまた進化したらもっと強くなるんじゃない?
 だって今も見てたけどあの魔獣は進化するたびに強くなって言ったじゃん?」
 グリルは更に進化させた状態でそのようなことをさせたほうが良いのでは、と考え、マルクに提案した。
 しかしマルクが自分の意見を曲げる事は無い。
「今の状態のあいつが欲しいんだ。グリル、研究室の注射器を一本持って行ってポップスターに今すぐ行って来い。血液はそれで済むし、肉片は自分の手で取れば充分だ」
「え…でもちょっと気持ち悪いかも…」
 グリルはそんなグロテスクなものとか汚いものは完全に嫌いというわけではないが、嫌がっていた。
「お前の強さでないとこれを果たす事はできない。頼むよ。そしてお前は僕の言う事ならなんでも聞いてくれるのだろう?」
「………うん。じゃあ私行ってくるね」
「それでいい。そして陛下だけには見つからないようにな」
 グリルはマルクに言われてまず最初にテレポートで研究室に向かっていった。
 マルクは満足そうにしているが、ドロシアはグリルがやはりマルクに良いように利用されている事に複雑な気持ちでいたらしく、二人に何もいえなかった。


 〜デデデ城〜

 HN社の魔獣3体との戦闘に勝利したゴッドは小動物をばら撒きつつ星の戦士を探していた。
 だが、そこにマルクの命令で出動したグリルが現れる。
「待ちなさい、あんたの血液と身体の一部のサンプルを貰うわよ」
「グルルルルルッ」
 チュイイイイイン、ドシュンッ!!
 グリルがまずゴッドの肉を採ろうと飛び掛るが、ゴッドは掌からのエネルギー弾でグリルを攻撃してきた。
 グリルはそれを避け、すれ違いざまにゴッドの肉の一部を引きちぎった。
 しかしゴッドは回復能力で瞬時に回復し、気にしていない様子。
 ただ本能に従って暴れまわるゴッドはグリルにもお構いなしに攻撃を仕掛けてくる。
 グリルは敵を分析する能力でそれを全て的確に避け、ゴッドの皮膚に持ってきた注射器をつきたてた。
 そして一瞬で血液の採取を終わらせ、ゴッドを蹴り飛ばして引き離す。
「これで一応回収できたわね。あとはお兄ちゃんのところへ帰って渡さなきゃ」
 グリルは満足するとテレポートでゴッドの目の前から姿を消した。


「よくやったぞグリル。ゴッドの肉片と血液のサンプルは研究室に保管しておいてくれ」
「は〜い」
 グリルはすぐに研究室へワープして血液と肉片を置き、また司令室へ戻ってきた。
「グリル、じゃあ戦いの続きを見ようか」
「お兄ちゃん、私なんだか退屈してきちゃった…。なんというか一度戦ったらもう止められなくなっちゃったというか…」
「戦いたいのなら戦ってくればどうだ?」
「え!?いいの!?」
 マルクの珍しい発言にグリルは目を開いた。
「もうお前は星の戦士達の前に姿を現してしまったから今更『星の戦士のところへ行くな』というのはおかしいだろう?これからは好きなときに戦いに行っても僕は許してやる…というか、何も言わない。ドロシアもそれで構わないか?」
「…ああ」
「ただグリル。一つ条件があるぞ」
「え?なに?」
「前から言っていることだけど、決して奴らのいるところでは僕の名前を口にするな。『お兄ちゃん』とだけ言うのは構わないが。そもそも僕とメタナイト卿は知り合いだぞ?」
「うん、前からそれは気をつけてるよ。じゃあ早速今から向こうに行こうかな?」
 マルク達3人は話し合いを終え、グリルは転移魔法でポップスターに向かい、マルクとドロシアはまた司令室のパラマターが撮っている映像が映っている画面に注目した。


 グリルに身体と血液を一部ずつ奪われたゴッドだったが、再生能力のおかげでまるで気にしていない。
「グルルルル」
 ゴッドはなにかを感じ取ったのか、いきなり床を壊して地下へ向かった。
 そしてこのゴッドの行動を丁度見ていた人物がいた。
「(まずいな、あの魔獣…あんな姿になっちまったのか…)」
 それは、逃げ出したゴッドを追って城中を飛び回っていたナックルジョーであった。
「(とにかくここで見つけたら見逃すわけにはいかねぇ、あとを追っかけるか)」
 ナックルジョーはゴッドが床にあけた穴に飛び込み、ゴッドの後を追った。

 一方、最初に一人で『ジョーを探しに行く』と言ってどこかへ行ってしまったシリカは、城のどこかの通路におり、まだ一人でナックルジョーの事を探していた。
「(ここにもジョーはいない…)」
 シリカがその通路を通過しようとした瞬間、彼女の目の前に突然見覚えのある魔法使いが出現した。
「あれ?ここどこにワープしてきちゃったんだろ?」
「な!?」
 シリカはその魔法使いを見た瞬間警戒心を強めた。
 そう、現れた魔法使いは前に一度戦った事のある敵で、グリルと名乗っていた魔法使いだったからだ。
「ん?……あぁ、貴方はこの前私に負けた…」
「貴様…!確かグリルと言ったよな!?」
「ええ、覚えていてくれて嬉しい限りよ。…って、もう構えているの?」
「前のようにはいかないぞ!」
 シリカは戦闘モードに突入したのか、改造銃からナイフを伸ばしてグリルに向かって構えた。
「でもここじゃあ狭いからさ、もっと広い場所で戦わない?そして今私がここにいる理由って大体察せているでしょ?」
「………」
「『退屈だから』よ。とにかくこの城の通路じゃなくてどこかの部屋に行くわよ、貴方は私と一緒に来なさい」
「なにを言って…」
 シリカが何かを言い終わる前にグリルは自分とシリカに転移魔法をかけ、どこかへワープした。

 〜デデデ城 地下倉庫〜

 ピシュン!
 グリルとシリカの二人は、転移魔法でデデデ城のかつてフーム達が黒い雷で凶暴になったロロロとラララから逃げる為に隠れたところに似ているが、それよりもかなり地下広い倉庫にやって来た。
「ここなら誰にも邪魔されずに戦う事ができるわ。じゃあ早速始めようよ」
 グリルはそういうと戦いの構えを取る。
「はっ!」
 すでに敵意をむき出しにして構えていたシリカが最初に攻撃をする。
 シリカは跳躍してナイフでグリルを斬りつけようとする。
 しかし、グリルはそれを簡単に受け流してしまう。
 ドカーン、ドカーン、ドカーン!
 攻撃を受け流されてしまったシリカは改造銃をミサイルランチャーの形態にし、グリルに向かって連続で撃った。
 部屋が煙に包まれていく。
 煙が晴れたが、グリルは全く怯まず、平然としていた。
「くだらないわねぇ〜…ただ埃を巻き上げるだけだなんて」
「…やっぱりダメか」
 シリカはグリルのその恐ろしいとまで言える強さに驚くと同時に少し恐怖から来る震えが来ていた。
「今度は私の番のようね」
 グリルはシリカに戦いの手本を見せるかのように言った。
 ピシュン!
「!?」
 そして次の瞬間、グリルは瞬時にシリカの目の前までやってきて腹部に蹴りを入れた。
 ドカッ!
「ぐっ!!」
 痛みで腹部を押さえたシリカにグリルは更なる攻撃を加えていこうと考え、グリルはシリカを片手で投げ飛ばしてしまう。
「ていっ☆」
「うわあっ!」
 更に飛ばされて床に叩きつけられたシリカの髪の毛を左手で掴んで彼女を持ち上げ、無防備となった腹部を何度も右手の拳で殴りつける。
 ボゴッ、ボゴッ、ボゴッ!
「どうしたの?もっとしっかりしてよ」
 そう言いつつもグリルは殴り続ける。
「ううっ! はうっ! があっ! ぐうっ!」
 腹部をなんども殴りつけた後、グリルはまたシリカを投げ飛ばして床に叩きつける。
 開始からまもなく、もうすでに一方的な戦闘となっていた。
 叩きつけられたシリカはなんとか立ち上がるが、腹部へ受けたダメージが原因で身体が痙攣し、満足に動ける状態ではなくなっていた。
「ぐ…く、くそ…」
 シリカは一方的にやられてしまった自分が情けなくてしょうがなかった。
 だが、グリルはそんなシリカに休ませる暇を与えない。
「それっ!」
「ぐあっ!」
 グリルは動きが鈍っているシリカを押し倒し、彼女の腹部を踏みつける。
「えいっ」
「うあああっ!」
 腹部をグリルに踏みつけられ、シリカは悲鳴を上げた。
 続いてグリルはシリカに馬乗りとなり、彼女の首を絞め始めた。
「ふふふ…」
 ギリギリギリギリギリ…
「ぐ…あ………がぁ………!」
 シリカは腹部を攻撃された事によって呼吸困難な状態となっていたが、そこへ更に首を強く締め付けられ、呼吸が全くできない状態に。
「あ…が……うぅぅ…」
 シリカはついに気を失ってしまう。
「さすがは星の戦士ね、普通だったら死ぬはずの攻撃を受けながらもまだ生きてる」
 グリルはシリカがまだ息をしている事を確認する。
「暇つぶしには丁度よかったけど少し物足りなかったかな?まあ、あとはゴッドに任せるといいよね」
 グリルは少し物足りないと感じながらもシリカを部屋に残して転移魔法ですぐにウィザード・フォートレスに帰っていった。

 〜デデデ城 電力供給施設のメインシャフト〜

 グリルがシリカに勝利した一方で、カービィ達4人はターンテーブルが勝手に上にあがってしまった(正確には騎士達が操作をしている)為、デデデ城全体に電力を供給する重要な場所である『メインシャフト』というところに来ていた。
 メインシャフトは部屋の中央に一つ下の階層から塔があり、内部に電力を供給する為の機械がある。
 また、その塔からそれぞれ3つの方向へ道が分かれており、それぞれ別の部屋とつながっているらしい。
 当然下に落ちると危ない為、道は柵に挟まれており、中央の塔には梯子が付いている。
 簡単に説明すると、まるでどこかの研究施設にあるかのような場所だ。
「デデデの奴、こんな場所を作ってたのか〜」
「趣味だけでこんなのを作っちゃうなんてやっぱり行動力だけは高いわね…。なんでいつもああなのかしら…」
「ぽよ〜」
 ブンとフームはデデデが作り上げたメインシャフトを見てデデデの行動力の高さだけは評価していた。
 チュイイイイイン、ドシュンッ!!
「!?皆、あの扉から離れろ!向こうの扉から何か来るぞ!」
「え?わああっ!!!」
 メタナイト卿はある扉からなにかがこちらに飛んでくるのに気がつき、カービィ、フーム、ブンの3人にその扉に近づかないように指示を出す。
 ドゴォォォォォォォン!!
「うわああああっ!」
 ズサアアアアアッ!
 扉を突き破ってカービィ達のところに吹っ飛んできたのは、ゴッドを追って対決を挑んだナックルジョーであった。
 ナックルジョーは隣の部屋でゴッドと戦っていたらしく、緑色のエネルギー弾を浴びてこちらに吹っ飛ばされてきたようだ。
 そして吹っ飛んだジョーを追ってゴッドも壊れた扉を自分の身体が通れるように更にぶち壊してメインシャフト内に進入した。
「ナ…ナックルジョー!?」
「お…お前ら!こんなところにいたのか!」
 吹っ飛んできたジョーにフームが声をかけて駆け寄ってくる。
 ジョーは吹っ飛んだ先にカービィ達がいたことにびっくりしていた。
「あの魔獣、あんな姿になっちまったのかよ…ってわわ!」
「危ない!」
 チュイイイイイン、ドシュンッ!!
 ゴッドは再び緑色のエネルギー弾を掌から撃ってきた。
 ブンは容赦なく攻撃してくるゴッドに驚き、フームが叫んだのを聞いてその場にいた全員は緑色のエネルギー弾を回避する。
「くっ…とんでもねぇことになっちまったぜ…。でもお前らは手を出すなよ。言ったろ?あいつは俺の手で倒してやるってな…ぐっ!」
 ジョーは先ほどゴッドと一人で戦った際に少し怪我をしていた。
「貴方何を考えているの?その身体で、しかも一人であの魔獣を倒すのは無理よ!」
「…仕方ねぇ。カービィ、メタナイト。悪いけどあの魔獣を倒すのに力を貸してくれ」
「ぽよ!」
「うむ。フーム、ブン、ここは危険だ。そなた達はまだ被害を受けていないと思われるあっちの部屋へ」
「ええ!」
 フームとブンはメタナイト卿に言われた自分達が入ってきた方向の扉やジョーがこのメインシャフトに吹っ飛ばされてくる前にいた部屋とは別の3つの内の1つの部屋に逃げようと、そこの扉の方向へ向かった。
 だが。
「グアアアオオオオ!」
 チュイイイイイン、ドシュンッ!!
 ゴッドはその逃げるフームとブンの二人に向けて緑色のエネルギー弾を飛ばす。
「あ!!」
「フーム、ブン!危ない!!」
 メタナイト卿とナックルジョーが気づいたが時、すでに遅し。
 緑色のエネルギー弾はフームとブンの二人にまっすぐ向かっていく。
 しかし命中する直前…。
「ぽよ!」
 スイイイイイイイイイン…
 カービィがそれよりもはやくフームとブンの目の前までやってきて、緑色のエネルギー弾に向かって他人の命令なしに自分の意思で吸い込みをした。
 カービィは緑色のエネルギー弾を吸い込んでほおばると、口から星型の弾丸に変換して吐き出し、ゴッドに向かってぶつけた。
 ドガアァァァァァァァァァァン!
 星型の弾丸が直撃してゴッドは爆発に包まれた。
「今の内に部屋へ隠れろ!」
 ナックルジョーがフームとブンの二人にはやく部屋に逃げ込むように言う。
 フームとブンはジョーの言ったことに頷き、ドアを通って部屋に隠れた。
 だが次の瞬間、爆発の中からゴッドの手が伸び、ナックルジョーの身体を掴む。
「なっ!?」
 星型の弾丸は爆発力こそ高かったものの、ゴッドにはまるで通用していなかったのだ。
 そしてナックルジョーの身体を床にたたきつけた。
 ドガッ!!
「うわっ!」
 ジョーが叩きつけられた直後、メタナイト卿が飛び出してギャラクシアから波動斬りを放つ。
「波動斬り!!」
 ボオオオッ!!!
 波動斬りを受けたゴッドは火に包まれたが、やはり怯む様子を見せない。
「くっ!」
 メタナイト卿は攻撃に失敗して反撃を受けない為に後ろへ下がる。
「そういえばまだお前は変身していなかったな?こいつを吸い込め!」
 ナックルジョーはカービィに向かって気弾を撃ち、吸い込みをさせる。
 気弾を吸い込んだカービィはファイターカービィとなる。
 それを見たメタナイト卿は一瞬
「(最近はファイターカービィの出番が多いな…)」
 と思ったが、そんなことを考えている場合ではなかった。
 なんとしてでもこの化け物…いや、『悪魔』とも言える目の前にいる凶悪な存在を撃退しなければならない。
 そうしなければこの城…それどころか外にも危機が及び、破壊し尽くされてしまうかもしれない。
 その存在、つまりはゴッドを見てそう考えていたのはメタナイト卿だけではなく、カービィ、ナックルジョーも一緒であった。
「さあ、第2ラウンドを始めようぜ!」
 ナックルジョーの声と同時に、デデデ城地下の電力供給施設のメインシャフトにて、カービィとメタナイト卿、ナックルジョーの星の戦士3人と破壊神・ゴッドのデスマッチが幕を開けた。
 シュルルルルルッ、ビビイィィィィィィィ!!
 ゴッドは星の戦士3人に向かって目から真っ赤なビームを発射した。
 3人の星の戦士はそれを避けたが、メタナイト卿のマントにビームが少しかすってしまい、一部が燃えていた。
「ふっ!はあっ!!」
 メタナイト卿はすぐさま火を消すとゴッドに斬りかかる。
 ガギイィィィィン!!!
 ギャラクシアをゴッドは後ろの翼のような腕の爪で受け止め、弾いた。
 弾かれたメタナイト卿は体勢を崩さないように床に着地する。
「「スピンキック!!」」
 カービィとナックルジョーの二人がスピンキックをゴッドの顔面を目掛けて撃った。
 ドオォォン!!
 二人が足から撃った気弾はゴッドの顔面に直撃し、爆発を起こした。
 だが、やはりと言うか、ゴッドには全然効いていない。
 しかしこのとき、ナックルジョーはあることに気づいた。
 シュルルルルル…
「(あいつ…スピンキックを吸っている?そういえばさっきカービィのあの星型の弾やメタナイトのあの火もそんな感じが…)」
 どうやらスピンキックが起こした爆発がゴッドに吸収されていくようにナックルジョーには見えたらしい。
 そして記憶を辿っていくと、先ほども星型の弾丸と波動斬りを吸収していたというのだ。
「メタナイト、あいつ…」
「うむ、私にもわかった。あの魔獣は、こちらの光線のような実体の無い攻撃を吸収している…!」
 ナックルジョーはメタナイト卿に自分の気付いたことを話そうとしたが、
 メタナイト卿もそれに気付いていたらしい。
 ガバッ、ガバッ!!
 そんなことを話していたとき、ゴッドは隆起している胸部を開き始めた。
 胸部の内部にはエネルギーを溜めていたらしく、光が満ちていた。そして…。
「危ない!!」
「ぽよ?」
 ナックルジョーはゴッドが何をしようとしてるのかがわかったらしく、わけのわからないというか状況が何もわかっていないカービィを抱え、ナックルジョーと同じくこれから何が起こるかわかったメタナイト卿と共にゴッドの目の前から離れた。
 そして次の瞬間、メタナイト卿とナックルジョーが予測していたことが本当になってしまう。
「グオオオオオゥ!」
 ズドオォォォォォォォォォォォォォォ!!!!
 ゴッドの開いた胸部から太く青白い破壊光線が放たれた。
「わあああっ!!」
 充分距離をとって物陰に隠れ、退避した星の戦士3人も衝撃が大きすぎて吹き飛ばされてしまう。
 ゴッドが光線を撃ち終わると、ゴッドの目の前の通路は破壊されて消滅しており、壁には大きな穴が開いていた。
「な…なんてことだ…」
 隠れていたメタナイト卿はその破壊力に唖然としていた。
「メタナイト、あれはおそらく…」
「奴は吸収した実体のないエネルギーを使う飛び道具の類の攻撃を威力を倍にして撃ち返せる…」
 ナックルジョーとメタナイト卿の考えは一致していた。
 ゴッドは実体の無い飛び道具が通用せず、逆にそれを吸収して撃ち返すことができる。
 そうとなると、カービィやナックルジョーの気弾やメタナイト卿のギャラクシアによる必殺技の数々はこの戦いでは封印する事となってしまった。
 必殺技を使うことのできない星の戦士3人は苦戦を強いられる事となる。
「ふっ!」
 ズバッ!!
 メタナイト卿がギャラクシアで斬り裂くも、表面は切り裂けるが、すぐに再生させられてしまい、ゴッドには効かない。
「はあっ!!」
 ドォン!!
 ナックルジョーとファイターカービィがキックを浴びせるが、無駄だった。
 ガシッ!!
「ぽよ?」
「な?しまった!」
「グオオオオオッ!!!」
 ドガァン!!
「ぽよぉ!」
「があっ!」
 逆に彼らはゴッドに掴まれ、床に思い切り叩きつけられてしまう。
「うおおおっ!!」
 メタナイト卿が空中から再び斬りかかるが、ゴッドはその方向を見て口から青白い破壊光線を発射した。
 先ほどHN社の魔獣、チリドッグに止めを刺すのに使用したあの破壊光線である。
 シュウウウウウウウ、ドオォォォォォォォォッ!!
「どぅわあああっ!!」
「ぽ、ぽよ!」
「メタナイト!!」
 メタナイト卿は青白い光線の直撃を喰らい、吹き飛ばされて壁に激突し、そのまま壁を壊しながらその壁の向こうの部屋まで突き抜けてしまった。

「わあっ!!」
 ドッカァァァァン!
 丁度メタナイト卿が吹き飛ばされた先の部屋はフームとブンの逃げ込んでいた部屋であり、二人の目の前まで光線の直撃を受けたメタナイト卿が吹っ飛ばされてきた。
「な…どうなっているんだ?」
「メタナイト卿、しっかり!」
「………」
 いきなりこちらに吹き飛んできたメタナイト卿にブンはびっくりし、フームはメタナイト卿に駆け寄る。
 だが、メタナイト卿は気絶してしまったらしく、動かない。

 メタナイト卿は戦闘不能になってしまったが、ゴッドがこれで満足したわけではない。
 まだ残っているカービィとナックルジョーに牙を向け、攻撃を続ける。
 ゴッドが爪で引き裂こうと攻撃をしてくれば、カービィとジョーはそれを素早く避け、カービィとジョーがパンチやキックを浴びせればゴッドは難なく耐え、カービィとジョーがさっきのように掴まれて反撃を食らわないようにゴッドから距離を取る。
 一進一退の攻防が続いていたが、どちらかというとカービィとジョーの二人は防戦しているといえる。
「グオオオッ!!」
 グチュグチュ!!
 ゴッドは背中から生えている大きな2本の翼のような形状の腕を本物の翼に変え、空中へ飛び立った。
 そして空中から掌から撃つ緑色のエネルギー弾を連射してきた。
 ドシュドシュドシュドシュドシュン!!
「わああっ!!!」
 ドゴン、ドゴン、ドゴォン!!
 空中からばら撒かれたエネルギー弾をカービィとジョーの二人は避けるが、メインシャフトの通路は爆発でメチャクチャになってしまう。
 足場は中央の部分以外殆どなくなってしまったと言っていいだろう。
 そしてゴッドは破壊されてほんの少ししか残っていない通路に降りた。
 カービィとジョーの二人も、破壊されて一部しか残っていない通路に立っていた。
 非常にキツい状態なのだが、ジョーはカービィにある提案をしてきた。
「カービィ、いいことを思いついたぜ。今から話すことをよく聞いておけよ」
「ぽよ?」
 カービィはジョーがこれから話そうとすることを言われたとおりしっかり聞こうとする。
「気付いていると思うが、あの魔獣は傷つけてもすぐに傷を治しちまう。そこでだ…」
「グウゥゥン!!」
 チュイイイイイン、ドシュンドシュンッ!!!!
「避けるぞ!」
 ジョーは観察力が高く、ゴッドの回復能力も見抜いていた。
 そしてジョーが話している途中、ゴッドが左右の掌からそれぞれ一つずつ緑色のエネルギー弾を撃ってきた。
 それをカービィとジョーの二人は中央の電力を供給する部分にジャンプで飛び移って回避する。
 そして隠れて話を続ける。
「そこでだ、回復させないように奴の顔面一箇所に集中してパンチやキックを入れていくぞ。そして奴が弱ったところで二人で『ライジンブレイク』を叩き込むんだ!いいな?」
「ぽよ!」
 カービィはこれからやることを理解し、ジョーと共にゴッドの目の前に顔を出した。
「グガアアアオオオッ!!!」
 シュウウウウウウウ、ドオォォォォォォォォッ!!
 まだ暴れまわる気力があるのか、ゴッドは容赦ない攻撃を続けてきた。
 早速隠れていたが、今姿を現したカービィとジョーに向かって口からの青白い光線を吐きつける。
「ふっ、てやあっ!!」
 ドオン!
 ジョーはカービィを抱えてそれを避け、光線を発射して隙ができたゴッドの顔面に蹴りを入れる。
「グアアオン!?」
 顔面への強烈な一撃に、初めてこの姿になって無敵の強さを誇っていたゴッドが怯んだ。
「今だ、カービィ!俺が攻撃した場所にお前も攻撃しろ!」
「ぽよ!」
 ドゴォン!
 続いてカービィがジョーの指示でゴッドの顔面のジョーが蹴った部分と同じ部分を蹴り飛ばした。
「はあっ!」
 その次はジョーが蹴る、と二人で交互にゴッドの顔面を蹴っていった。
 現在カービィとジョー、ゴッドのいる足場は非常に狭いが、カービィとジョーの二人は殆ど空中にいるので気にする事は無かった。
「ウオオオオッ!!」
 チュイイイイイン、ドシュンッ!!
 ゴッドは顔面を何度も蹴られつつも緑色のエネルギー弾を掌から撃つが、カービィとジョーの二人には当たらなかった。
「へっ!そのエネルギー弾がなんでも通じると思ったら大間違いだぜ!」
 と言いつつ、ジョーはまた一発ゴッドの顔面にキックを決める。
「そろそろいいだろう。カービィ、一気に決めるぞ!!」
「ぽよ!」
 顔面に集中攻撃を受け、ふらついたゴッドに対し、カービィとジョーの二人は右腕にエネルギーを集める。
「「ライジン…ブレェェェイク!!」」
 ドガァァァァァァァァァァン!
グアオオオオオオオオオオンンンンンンン!!!
 ついに二人のライジンブレイクがゴッドの顔面に炸裂した!
「グ…ルルルル……」
 顔面に集中攻撃を受けた挙句、ダメージを負ったところで二人の必殺技をまともに喰らったゴッドは顔面が崩れてしまっていた。
「グ…ガアア…」
「や…やったか…?」
 カービィとジョーはこの攻撃でゴッドを倒せたのかどうか見つめていた。
「グ…ウウウン………」
 ガッ!ヒュウゥゥゥゥゥゥゥン…ドゴォン!
 ふらついて後退したゴッドは足場から足を踏み外して下へと転落していき、転落した先の床を突き抜けていったようだった。
「や……やったぞ!カービィ!!」
「ぽよ!」
 なんとかゴッドを倒したカービィ達は大喜びであった。

 カービィとジョーは戦いでメチャクチャに破壊されたメインシャフトからフームとブン、そして気絶したメタナイト卿のいる部屋にやって来た。
「見てたわよ、二人とも。さすがね、あの魔獣を倒しちゃうなんて!」
 戦いの様子を見ていたフームとブンも喜んでいた。
「う…」
 すると丁度気絶していたメタナイト卿も意識を取り戻した。
「メタナイト!!」
「メタナイト卿!」
「ぽよ!」
 カービィ達4人が起き上がろうとしたメタナイト卿に駆け寄った。
「ぐ…そうか、二人がここにいるという事はあの魔獣は…。成長したな、二人とも…」
「いや、メタナイト。実は…」
 ジョーは詳細…つまり、実は倒したと言うかどちらかと言うと下に落としたということをメタナイト卿に話した。
 そして、下のフロアに誰かがいたら危険であるということも。
「そ…それならまずいな。そなたの言うとおり、この電力供給施設の更に下の階に誰かいるとしたら…。いる可能性は低いが、その者が危険だ…。こうしてはいられない、様子を見に行くぞ…」
「メタナイト卿、怪我は大丈夫なの?」
「ああ、心配は要らない。私には、使える回数は限られているが、このギャラクシアのギャラクシーヒーリングがある…。下の階へはあそこの梯子から…」
 フームが心配するが、メタナイト卿は問題なさそうに答える。
 そして5人はメタナイト卿が示した梯子から下の階へ降りることにした。

 カービィ達がゴッドを下のフロアに突き落としたのと同じ頃、デデデ城の地下倉庫にて、グリルに痛めつけられて気絶していたシリカが目を覚ました。
 だが、グリルに身体のあちこちを殴られたり蹴られたりした為、シリカはまともに活動できるような状態ではなかった。
「うう……ま、まさか…あいつが…ここにやって………くるなんて…、とにかく…ジョーを探さないと…」
 シリカはなんとか身体に力を入れ、この地下倉庫部屋から出ようとした。
 しかしそのとき、シリカの目の前に何かが降ってきた。
 ドシャアァァァァァァァン!!
「!!!!??」
 彼女の目の前に現れたのはカービィとナックルジョーが下に突き落として退けた魔獣…ゴッドであった。
 姿はまたカービィやジョー達と戦ったときと比べて少し変化をしているが、今までゴッドと遭遇した事の無かったシリカにはそれがわかるはずがなかった。
 運悪くシリカがグリルに連れてこられたこの部屋は、電力供給施設のメインシャフトの下に位置している部屋だったのだ。
 今の状態のシリカではカービィ、メタナイト卿、ナックルジョーが3人で立ち向かっても苦労したゴッドとまともに戦うことはほぼ自殺行為と言ってもいいだろう(尤も、ゴッドはシリカが万全の状態で戦っていたとしても一人で勝てるような代物ではないのだが)。
 しかし、今の状況では逃げることは不可能に近い。
 シリカは傷だらけの状態でゴッドと戦いざるを得なくなってしまった。
「(あ…あれが……ジョー…のお父さん…みたいな人が変身したという…魔獣……?この状態では…逃げることも戦うことも難しい…。でも、今ここにいるのは私一人…。負けるとわかっていても…やるしかない…!)」
 シリカは心の中でゴッドと無謀な戦いをすることを選び、愛用の改造銃を構えた。
 チュイイイイイン、ドシュンッ!!
 ゴッドはシリカに向かって手のひらに緑色のエネルギー弾を作り出し、投げつけた。
「うわあっ!」
 グリルから受けたダメージが大きく、動くことすら難しいシリカが避けることができるはずもなく、彼女はエネルギー弾をまともに喰らってしまう。
「ぐ…うう……」
 シリカは身体を起こすが、すぐ目の前にゴッドがやってきており、ゴッドは動けないシリカに向かって爪を振り下ろす。
「グアアォオオオッ!!」
 ザブシュッ、バチバチィ!!
「うああっ!!」
 爪で切り裂く攻撃がシリカの着ているプロテクターに命中し、プロテクターが火花を散らす。
「(まずい…なんとか攻撃しないとこっちが殺される……!)」
 シリカはやられてばかりでは…と思い、力を振り絞って改造銃のナイフをゴッドの脚部に突き刺した。
 グサッ!
「グオオオオオッ!!」
 ブゥン!!
「がああっ!」
 脚部にナイフを突き刺されたゴッドはシリカを改造銃と共に跳ね飛ばす。
 シュルルルルルッ、ビビイィィィィィィィ!!
 ゴッドは跳ね飛ばしたシリカに追撃をするべく、目から赤い光線を放つ。
「くっ!!」
 シリカはギリギリで赤い光線を避け、改造銃をミサイルランチャーの形態に変えてゴッドに向かってミサイルを連射する。
「これでも喰らえ!」
 ドォン、ドォン、ドォン、ドォン!!!
「グウウウウウウウウウンッ!」
 ミサイルはゴッドに命中し、ゴッドの足を止める事に成功。
 ゴッドは2本の腕を地面につき、ダウンしたかのように見えた。
「はぁ…はぁ……はぁ…」
 必死で戦っていたシリカの方もだいぶ息が上がっている。
 しかし、ゴッドは突然起き上がり、ゴッドの身体に異変が起き始めた。
 グチュグチュグチュグチュ…
「グガアアアアオオオオッ!!!」
「な…!?」
 ゴッドはダメージを受けたことにより、また姿を変えたのだ。
 ゴッドは変身したことにより、2足歩行から6足歩行になり、口は胸部と一体化した巨大なイソギンチャクのような不気味なものへと変貌した。
 これにはシリカも驚きを隠せなかった。
「くそっ!」
 シリカは改造銃を構えて変化したゴッドに向かってミサイルランチャーをひたすら撃った。
「ガアアアアアアアアオッ!!」
 ゴッドはミサイルの爆発に怯みもせずにシリカに向かってまっすぐ突進してきた。
 そしてゴッドは爆発の中から飛び出してシリカの目の前までやってくる。
「!!!!」
 ガブッ!!
 シリカはゴッドの突進をかわすことができず、そのままゴッドのその巨大な口で噛みつかれてしまう。
「うあああああっ!!」
 巨大な口で胴体を噛みつかれたシリカはゴッドに振り回されてしまう。
 巨大な牙を突き立てられたシリカの身体からは真っ赤な血が吹き出す。
 そしてゴッドはシリカを振り回して空中へ飛ばした。
 ドガァン!!
「ぐあああっ!!……あ………うう」
 シリカは置いてあった荷物へ頭から激突し、再び気を失ってしまった。
「グルルルルル…」
 だが、ゴッドは今シリカを空中に飛ばした所為で彼女を見失ってしまったらしく、辺りをキョロキョロしていた。
「グオオオッ!!」
 ドゴォォォン!!
 周辺を見渡してもシリカを見つけることのできなかったゴッドは壁を突進でぶち壊し、別の場所へ走り去っていった。

地下倉庫の部屋からゴッドが姿を消して数分後、カービィ、メタナイト卿、フーム、ブン、ナックルジョーの5人が地下倉庫の部屋にやって来た。
「ちょうどここが電力供給施設の下にある倉庫部屋か…」
「なんだか酷く荒らされてるみたいだけど…」
 ブンとフームは辺りをキョロキョロしながら部屋を回っている。
「多分ここであの魔獣が……あ!」
 ナックルジョーが魔獣がここで暴れた事を考えながら歩き回っていると何かを見つけた。
 ゴッドと戦ってボロボロにされてしまったシリカである。
「!!シ、シリカ!?大丈夫か?」
「……あ……ジ……ジョー…」
 ジョーを初め、カービィなどそこの部屋にいた者は倒れているシリカの元へ駆け寄る。
 シリカはジョーに抱えられて意識を取り戻したようだったが、全身血だらけ、傷だらけ、痣だらけで今にも死にそうな状態である。
「メタナイト卿、あの技をお願い!」
「うむ」
 フームはメタナイト卿にあの技…ギャラクシーヒーリングをするように頼んだ。
 メタナイト卿は死にそうになっているシリカにその技をかけるのはもちろんのこと、まだ回復していなかった自分やカービィ、ジョーの傷も治すべく技を使った。
 ギャラクシーヒーリングが発動すると、メタナイト卿の意思で指名した自分を含む全員の傷があっという間に癒え、完治してしまった。
「あっ!み…皆!」
 死にそうな状態だったシリカは傷が治ったことにより、まともに話せるようになり、意識もはっきりしたものとなった。
 そしてジョーに抱えられていたが、自分で起き上がった。
「すまねぇ、シリカ…。お前のところにあの魔獣を落としたのは俺とカービィなんだ…」
「ど…どういうこと?」
 ジョーはまず最初に自分がゴッドを突き落としたことによりシリカに迷惑をかけてしまったことを謝罪した。
「だから…その……お前をこんな目にあわせてしまった…俺が悪かったんだ!ごめん!」
「え?別に、私は…そんなこと…気にしてないけど…。それと、皆にはそれよりももっと聞いてほしいことが、まだ…」
「えぇ?あ、ああ…そうなの?それと、もっと聞いてほしいことって?」
 いつものようにシリカは何か文句のような事を自分に言うのではないかと思っていたジョーだったが、今回は何故だか違った。
 そしてジョーやカービィ達はシリカの言う『もっと聞いてほしいこと』について耳を傾けた。
「私は…ここに来た魔獣と戦う前に、前に惑星メックアイで戦ったグリルという魔法使いとまた戦った」
「おい、まさか奴がここに来たっていうのか?」
「なんですって?」
 ナックルジョーやフームはもちろんのこと、シリカの発言にその場にいた全員は驚く。
「マジかよ…で、そいつはまだこの城にいるのか?」
「わからない…だが、私は奴の攻撃を喰らって意識が飛んでしまって…。気付いたら上からあの魔獣が降ってきたんだ」
「うわ〜…俺、心底震えが来たぜ…」
 ブンは前にナックルジョーとシリカの二人が手も足も出せずに簡単に負けてしまったと聞いたまだ見ぬ強敵・グリルがすぐ近くにやってきたのかと思うと震えが止まらなかった。
「グリルもそうだが…あの魔獣はどこへ行ったんだ?」
 ナックルジョーはゴッドの行方をシリカに聞く。
「あの魔獣の攻撃を受けてまた意識が飛んでしまったみたいでわからないけど…多分あそこの崩されている壁の向こうへ逃げたと思う」
 シリカは近くの破壊されている壁を指差して言った。
「よし、今度こそ決着をつけてやる。本物の親父かどうかは未だにわからねぇが…俺の手で止めを刺してやらなきゃな」
「ぽよ!」
 ナックルジョーは自分が絶対にあの魔獣を倒すと誓う。
 カービィ達や合流したシリカもジョーの後に続く。
 ついにゴッドと決着をつけるときがやってきたが、長い夜はまだまだ終わらない。




[前の話(その2)へ] [次の話(その4)へ]
[アニメ版星のカービィ 第2期予想小説・目次に戻る]
[ホームへ戻る]