〜MTS惑星フロリア支部 高級洋食レストラン〜 MTSの支配下に置かれている、美しい緑の惑星フロリア。 ここのMTSフロリア支部近くは現在時刻は正午となっており、そしてフロリア支部建物内にある、窓から綺麗な緑が広がる風景が楽しめる高級洋食レストランでは、休暇を満喫しているMTS上層部のマルクとグリル、ドロシアの3人が豪華な料理を食べており、昼食をとっているところであった。 マルクとグリルは4人用の席に座っており、マルクとグリルは席が向き合っており、二人の間にドロシアがいるといった状況だ。 「みんな〜、しばらくこっちに来れなくてごめんね〜。今からおいしい食べ物をいっぱいあげるから許してね〜」 中でもグリルは、何者かに用意された食べ物を食べさせようとしていた。 「キャン、キャン!」 「ニャ〜」 「ウキッ、ウキッ」 グリルに呼ばれて出てきたのは、赤い子犬と、トラのような模様を持つ子猫、明るい茶色の体毛を持つ子猿であった。 どうやらグリルのペットらしい。 「子供のうちはチリドッグもガルベルもエルギガンデスも本当に可愛いわよねぇ〜。あ、エルギガンデスは子供じゃなくて『変身前』だったっけ?」 グリルの発言からすると、それぞれ赤い子犬がチリドッグの子供、トラのような模様を持つ子猫がガルベルの子供、明るい茶色の体毛を持つ子猿がエルギガンデスの変身前と思われる。 グリルは3匹の前に新鮮でたくさんの果物や木の実などを置いた。 ガブリッ、ガブッ!ムッシャムッシャ チリドッグ、ガルベル、エルギガンデスの3匹は美味しそうに目の前に置かれた果物や木の実を食べ始めた。 その横で、マルクとグリルはステーキなどの高級料理を食べている。 「どうだ、グリル。こんな最高級のレストランで好きなときに美味しい料理を食べて料理の味を楽しむことができるなんて、まさに天国にいるような気分だとは思わないか?」 グラスに入った葡萄酒…ではなく葡萄ジュースを飲みながらマルクがグリルに話しかけた。 マルクやグリルは年齢的に人間で言うとまだ成人している年ではないため、酒類の飲み物は飲めないのである。 「うん!それもあのHN社の凄腕料理魔獣ムッシュ・ゴーンの作った料理で最高だね!ムッシュ・ゴーンの料理はほっぺたが落ちそうなぐらい美味しいもの!私たちもHN社のムッシュ・ゴーンやモウ・タクサン以上に料理の上手な料理魔獣を作り出さないとね♪」 「ん?…そうだな、それは今まで僕も考えた事がなかった。さすがだなグリル。お前の閃きは時々頭の良い僕でも考え付かないような斬新なアイディアが出てきてすごいと僕は思うよ。休暇が終わったら、HN社のそのムッシュ・ゴーンや、デンタル魔獣ハーデーのような戦闘以外のことに適している魔獣も作ってみるとするか。特にハーデーのような治療に適した魔獣は、後々で必要になってくるかもしれないからな」 マルクはとにかく星の戦士たち…その中でも特に強敵であるカービィやメタナイト卿を殺す事だけに執着していたため、グリルの言う『戦闘以外のことが得意な魔獣』のことなど今まで本当に考えた事がなく、グリルのその発言に関心を抱いた。 「いいね、いいね♪そんな魔獣もどんどん作っちゃおうよ!でもハーデーはHN社の残した資料を見ると本当にかわいそうな魔獣だよね…」 「ああ、『何もカービィたちに危害を加えていないのにないのにそのカービィたちの都合で殺された』って奴だろう?」 「そうよ!これに似た酷い話は随分昔の巨大ヒーローが巨大怪獣と戦う特撮作品にもあったわ!『怪獣の方が実は被害者である』という面は強調されずに殺されてた怪獣たちである『宇宙飛行士が変身した水が嫌いな怪獣』とか、『身体がとても重い怪獣』がそれだもの!しかも殺すならヒーローの必殺光線技で楽に殺したほうがまだ良いと意見がとても多いのに、その二つの作品を担当した監督の『光線技が嫌い』というわがままで水の嫌いな怪獣は水をかけられて苦しみながら悲惨な最期を遂げたし、身体の重い怪獣はヒーローの突撃で死ぬという意味不明な殺され方をしたのよ!こんなのをその巨大ヒーローと似ているけど、その二つの作品を担当したその監督が動かす彼とは違って弱い怪獣や悪くない怪獣を守る青い戦士が見たら絶対に怒るって!!それにその『光線技嫌い』のわがまま監督兼脚本家が関わっている回よりも洗濯板みたいな姿をした怪獣のガキ大将とそのほかたくさんの怪獣が出てきて戦う回のほうがずぅ〜〜〜っと面白いよ!!更にはそのわがまま監督は巨大ヒーローシリーズの主に宇宙人と戦う作品の第12話で敵宇宙人のデザインを元々カブトムシ型のものであったのをデザイン担当の人が嫌がっているのもお構いなしにわがままで勝手にすごく酷いものに変更させて結果その第12話は数年後に雑誌関係の問題が主な原因だけどその宇宙人のデザインのことも少し関係して欠番になっちゃうし…………」 「…グリル。お前の気持ちはわからなくはないがそれ以上話すと色々と規制にかかるからそれぐらいにしておけ」 グリルはハーデーの最期をどこぞの特撮作品に例え、長々と喋って非難したが、マルクにそれを注意された。 グリルの語った話の元ネタは各自で調べてほしい。 「あ、ごめん。ちょっと話がそれちゃったよ…。…じゃあ、魔獣作りや特撮作品の話からは外すけど、私たちが美味しい料理を食べている光景をむさ苦しくて貧乏で普段は食べ物かどうかわからないものばかり食べてて高級料理なんか滅多に食べられない星の戦士たちが見たら羨ましがるだろうなぁ〜。あいつらに自慢してやりたいわ!」 「うん、まあ奴らは僕たちとは違って庶民的だからな…。特にメタナイト卿に至ってはコンビニで買ったもので済ませることもあるらしいぞ?」 「なにそれ?いくらなんでもそれはまずくない?まあ私たちは食べ物から栄養なんて摂らなくても生きていける身体をしてるからそんなことしても問題ないけど、食べ物と栄養が無いと生きていけない星の戦士たちがそれじゃあダメだって」 「まあ、誰がどんな料理を作ってどんなものを食べているかは人それぞれではあるが、僕はグリルの手料理が一番好きだよ」 「え?ほ…本当?」 マルクが突然言った事にグリルは目を輝かせた。 「ああ、本当さ。確かに今食べているムッシュ・ゴーンの作った料理も美味しいけど、グリルの手料理には勝てないだろうと僕は思っている。それどころか、お前の料理の腕はムッシュ・ゴーンどころか、あの有名なコックオオサカの料理なんかよりもきっと上だぞ」 「そ、そんなに!?…私の手料理を美味しいって言ってくれてありがとう。大好きだよ、お兄ちゃん!」 「ああ。僕もお前のことを愛してるよ、グリル」 嬉しそうに感動して泣いてしまいそうなグリルに対してマルクはすました顔で言葉を返した。 近くにいたドロシアは二人の会話を黙って聞いていた。 しばらくして、3人が食事を続けていたそのときである。 ブー!ブー! 突然、MTS惑星フロリア支部の建物内全体でサイレンが鳴り始めたのだ。 そのサイレンはマルクたちのいるレストランでも鳴った。 「なんだ?通信が入ったのか?」 マルクは鳴り出したサイレンを聞いて食事をやめ、席を立った。 「お兄ちゃん?」 席を立ったマルクにグリルは声をかける。 「グリル。僕は一旦この支部内にある司令室へ向かう。お前はここで待っていてくれ」 「え?う、うん」 「ドロシアもグリルと一緒に待っていてくれ」 「ああ」 マルクはグリルとドロシアの二人を残して転移魔法で急いで司令室へ向かった。 〜MTS惑星フロリア支部 司令室〜 「(この番号は…派遣している宇宙調査隊?)」 司令室へやって来たマルクは、通信が来ていることに気づき、通信に応答した。 「どうした?宇宙調査隊G班。何かトラブルでもあったのか?」 マルクが通信をしているのは『宇宙調査隊G班』と呼ばれる、MTSの宇宙調査隊のグループの一つと思われるものに所属しているマドゥーである。 MTSは可能性こそ少ないとは考えているが、銀河戦士団やナイトメアの知らない新たな惑星を発見できるかどうか宇宙調査隊を実は宇宙各地に派遣しているのだ。 宇宙調査隊にいるのは当然、下っ端のプランクやマドゥーたち。 マルクがこのようなことに熱心なのは『宇宙の全ての惑星を自分のものにしたい』と考えているからであり、彼が底なしの欲望を秘めているのがわかる。 「惑星ハーフムーンから4800億光年離れた場所に未確認の惑星を発見いたしました!我々宇宙調査隊が銀河戦士団やナイトメア、HN社に所属していた者たち、そして宇宙旅行者たちが未確認の惑星を発見したのはこれが初めてです!」 「なにっ!??今すぐその惑星の映像をここの司令室へ転送しろ!」 「了解いたしました!」 未知の惑星を発見したと聞いてマルクは目を見開いた。 マドゥーの言ったとおり、MTSにとって未知の惑星を発見したというのは初めてのことだ。 ピシュン! マドゥーはマルクに言われたとおり、フロリア支部の司令室に調査隊の宇宙船が撮った映像を送信した。 司令室のモニターに映ったのは、惑星フロリアと惑星アクアリスを足して2で割ったような緑と青が美しい、ポップスターとよく似ているが陸地の形が少し異なっている、見たことの無い星であった。 「(なんだ?この星は…。ポップスターと少し似ているが…何故か微妙に違うような気がする…)」 マルクはそんな事を考えながらモニターに映っている映像を見つめていた。 「…マルク様。これから我々はどうするべきでしょう?」 「最初にその惑星に着陸しろ。ただ、宇宙船に搭載されている光学迷彩機能を使ってそこの惑星に生息している生物に気づかれないようにひっそりと行うことを忘れずにな。それからお前たちも光学迷彩を使って気づかれないように宇宙船から出てその惑星はどんな環境なのか、そしてその惑星にはどんな生物がいるのかを5日間かけて調査しろ。その途中、何回かに分けて調査報告をこちらに送ってくれ。そして今日から4日後、ウィザード・フォートレスに宇宙船のテレポート機能で戻ってきたらお前たちの仕事は終わりだ。僕はそこの星の侵略準備が終わった後、そこからまた次の指示を出す。いいな?」 「わかりました」 マルクは宇宙調査隊G班のメンバーに指示を与え、受け取った未知の惑星の映像をウィザード・フォートレスの司令室に送信してから通信を切った。 そして、今起こったことをグリルとドロシアにも聞いてもらうべく、レストランに転移魔法で戻った。 レストランでは、まだグリルとドロシア、グリルのペットの魔獣たちが食事をしていた。 そんな中、宇宙調査隊G班との通信を一旦切ったマルクが戻ってきた。 「あ!お兄ちゃんお帰りぃ〜。何かあったの?…もぐもぐ」 グリルは食べ物を口にほおばりながら、自分たちのところへ戻ってきたマルクに話しかけた。 「…グリル。今日でお休みはもうお終いだ」 「………え?どうして?」 グリルはマルクの急な発言にポカーン、としていた。 「宇宙調査隊から連絡が入ってな。どうやらナイトメアや銀河戦士団も知らない未知の星を発見したらしい」 「……………」 マルクの言葉をグリルは黙って静かに聞いている。 「そこで今日から惑星ハーフムーンの僕たちの本部…ウィザード・フォートレスに戻って侵略準備を始めようと思うんだ」 「久々に星を攻撃するんだ〜…私も久しぶりにいっちょ暴れてやりたいな…」 「無差別に何でもかんでも攻撃するのはダメだ、グリル。ともかくドロシアとも一緒にハーフムーンの本部へ帰ろう」 「うん、わかった!」 「ドロシアも今の話、理解できたな?」 「ああ。だが一つ聞いていいか?」 「…なんだ?」 「その星はどのような見た目なのだ?」 「何故そのようなことを聞く?」 「本当にその星は私も知らない星なのか?と思ってな。形はどんなものだったか?」 「ポップスターによく似た、緑と青の星だよ。多分お前も知らないだろう」 「お前の言うとおり、そんな星は私も聞いたことが無いな。…まあいい。その映像を本部で見させてくれ」 「わかった」 会話を終えたマルクとグリル、ドロシアのMTS上層部の3人はウィザード・フォートレスへ帰ることにした。 〜ウィザード・フォートレス 司令室〜 「これが、宇宙調査隊G班が発見した謎の惑星だ」 「どこの星の宇宙の事について書かれてる図鑑にもこんな星載ってなかったな〜」 「こんな星は私も見たことが無い。ナイトメアも恐らく知らないだろう」 マルクはフロリア支部から戻ると早速モニターを使って未知の惑星の映像をグリルとドロシアの二人に見せた。 そしてマルクはこれからのことについて二人に話し始める。 「宇宙調査隊には今日も含めてこの惑星を5日間調べさせる事にした。僕たちはその調査中の5日間の内に、この惑星を攻撃する準備を整えよう。ドロシア、お前は魔法の絵筆を使って短時間で魔獣を量産してくれ。グリルは僕と一緒に主戦力として連れて行く魔獣を選びに行こう。それと、ボーラルの治療がもうそろそろ終わる頃のはずだから、彼のところへも一応行ってみようか」 「うん!」 マルクの指示通り、グリルはマルクと共に最初にボーラルがいるとされる手術室へ向かい、ドロシアは別の部屋にワープして魔獣の量産を開始した。 〜ウィザード・フォートレス 治療室前〜 ウィザード・フォートレスの研究室の隣にある治療室の前にマルクとグリルは転移魔法でやって来た。 そして、マルクは通信機を使って治療室内部にいるプランクやマドゥーたちに通信を入れる。 「お前たち。ボーラルの治療、及び改造手術は終わったか?」 「は、はい。あとは仕上げをすれば完璧です!」 「そうか。そんなものは今すぐ済ませろ」 マルクに要求されたとおり、プランクやマドゥーたちは仕上げの作業をあっという間に終わらせた。 数分後、治療室の扉が開き、治療を終えたと思われる自称『宇宙最強の魔獣』ボーラルが姿を現した。 「これはこれは…マルク様にグリル様。お久しぶりですね」 出てきたボーラルは前とは少し違う姿となっていた。 その姿は、怪我をした部分はメカで補完され、その機械部分はフクロウを連想させるデザインとなっており、身体の各部には新たに大量の火器が取り付けられ、背の高さも前よりも一回り大きいものである、というものであった。 「ボーラル。新しい身体の調子はどうだ?」 「ええ、この通り。狂いはありません。早く星の戦士の皆さん…特にこの私をコケにした『星のカービィ』と『メタナイト卿』に仕返しをしてやりたいところですよ」 ボーラルはマルクに体の調子が万全である事を示すため、腕を動かすのを彼に見せ付けるようにしている。 そして彼は自分を打ち負かしたカービィたち星の戦士を今すぐ倒してやりたい気分らしい。 「いや、星の戦士と戦う前にお前には4日後にしてもらいたいことがあるんだ」 「…?その用件というのはなんです?」 マルクは、ボーラルに未知の惑星を発見した事、そして調査が終わってデータをまとめた後、その星を襲撃して自分たちの支配下に置くという計画について説明した。 「…なるほど。事情はよくわかりました。4日後、グリル様や他の魔獣たちと一緒にそこの星を攻撃してほしいということですね?」 「そういうことだ」 「期待してるよ〜、ボーラル。今はちょっと戦力不足だから貴方の力がどうしても必要で…。存分にその星で暴れてやりましょうね〜♪」 「ほーっほっほっほ!話を聞いていたらわたしともあろう者がドキドキしてきましたよ…。なにしろ、早速この新しい力を使う事ができるのですからね……」 マルクやグリルに未知の星を攻撃する事に協力してほしいと頼まれたボーラルはドキドキが止まらず、戦闘を楽しみたいと考えているようだった。 「ボーラル。お前は調査隊が帰ってくる前まで闘技場で他の魔獣たちを相手に自分の戦闘力のチェックをしていてくれ。いいか?4日後だぞ」 「…わかりました。本番では貴方の期待に答えられるような活躍をしてみせましょう」 ボーラルはそう言い残すとテレポート能力を使って闘技場へ向かった。 「さ、次は主戦力となる魔獣を選びに行くぞ。…いや、待て」 「ん?どうしたの、お兄ちゃん」 マルクは急に何かを思い出したらしい。 「侵攻の準備をする今日も含めた4日間、そして侵攻を開始する今日から4日後の日まではポップスターにいるチクタクに指示を出す事が出来なくなるし、デデデ陛下とも連絡を取ることができなくなるな…」 マルクはあることを気にしていた。そのあることとは、本人も言ったとおり、ポップスターにいる『代弁者』ことMr.チクタクに5日間指示を出せなくなることと、ポップスターにいるデデデと通信することが出来なくなる事である。 「え?私は別に手は空いてるけど?たったの今日も含めた4日だけでしょ?」 チクタクへの連絡係にグリルが名乗り出たが…。 「ダメだ。今回はお前と僕の二人で主力の魔獣を選んであの星を攻撃する準備を整えよう。そして今からチクタクに連絡が取れなくなると伝えろ。なによりも、今はあの星を攻撃することを優先するんだ」 「どうして?」 するとマルクは理由について説明し始めた。 「今回のこのこと…つまり誰も知らない星を攻撃することというのは僕にとっても、グリルにとっても初めてのことだ。今回は僕も他の宇宙全体にすでに知られているメックアイやスカイハイと言った惑星を脅したときとは違って、何があるか予測がつかない。だから慎重に、そして用心深く準備をし、万全の状態で攻撃に望もうと思っているんだ。そのためにはお前やドロシア、ボーラルや多数の強力な魔獣が力をあわせなければならない。もしかすると、少し大げさだとは思うが、そこにいる連中は星の戦士たちの中でも戦闘能力が高く、今のところ僕らにとっては最優先で殺すべき標的であるカービィやメタナイト卿、ナックルジョーの3人よりも脅威となるかもしれない…とも考えられるからそうとなれば尚更だ。何度も言うけど、今回は本当にこれからなにが起こるかというのはお前が一番頼りにしているこの僕でもわからないんだよ………!」 「え…あ…それは……そうだけど…さ………」 真剣な顔で、それもこちらの目を見て長々と話すマルクにグリルは戸惑ってしまった。 「……また確認するようで悪いが、お前は僕の言う事を聞くのだろう?」 「う、うん!お兄ちゃんの言う事ならなんでも…」 「有難う。じゃあ早速で悪いけど、チクタクと連絡を取って、奴に『今日、明日、明後日、明々後日までは指示を出す事ができないから、こちらから連絡が取れるようになったと言うまではデデデ城のスタジオを通じてMTSの考えを全宇宙に伝える番組を報道するだけで良し、そしてお前の口から陛下にグリルや僕は旅行で留守にしていると伝えろ。くれぐれも指示をしていない勝手な事はするな』と言ってくれ」 「は〜い、わかりました。チクタクに今お兄ちゃんが言った事を全部伝えれば良いんでしょ?」 「そうだ」 「じゃあ今から司令室言って通信機を通じて伝えるね。チクタクも確か持ってたよね?その通信機は万が一のときのためや、陛下には知られたくない事を話すときのためにに奴にはもうとっくに渡してある」 「うん、わかった!」 グリルはいつものように笑顔でマルクの命令に従い、転移魔法で司令室に向かった。 マルクはその場で待ち、3〜4分後にグリルが戻ってきた。 「ちゃんと言って来たよ〜。じゃあ早く攻撃に使う主戦力の魔獣を選びに行こう?」 「ああ。さっきも言ったように初めてのことだから慎重に作業を行わないとね」 マルクとグリルは未知の星の攻撃に使う魔獣を選ぶために魔獣を保管してある場所へと向かった。 |