副編集長の鎌田様作・アニメ版星のカービィ 第2期予想小説
第24話
〜レッツ・ダンシングミュージック〜



 MTSが惑星リップルスターを発見し、攻撃に向かうための準備から攻撃を開始するまでの5日間、 ポップスターにいるカービィやメタナイト卿、ナックルジョー、シリカと言った星の戦士達4人、ソードナイトやヘビーナイト達7人の騎士、 フームやブン達大臣一家、デデデ、エスカルゴンらデデデ城の住人、コックカワサキなどのププビレッジの一般住人、MTSから送り込まれてきた上級ランク魔獣・チクタクは何をしていたのか。
 この話からしばらくは、MTSがリップルスターを攻撃した日からMTSがリップルスターを発見した日まで、また時間を巻き戻し、ポップスター側の様子を中心に見てみよう。


 〜ウィザード・フォートレス 司令室〜

 マルクに惑星へ侵攻するための準備をするまでの間、一緒に準備の手伝いを頼まれていたグリル。
 しかし、その前にしばらく連絡が取れなくなるチクタクと連絡を取ってほしいと言われ、彼女は司令室に来ており、何か考え事をしていた。
「(なぁ〜んか久々にこの小説に出てきたような気がしてならないのよね〜…。私がいない間にトンデモないことになっていたような気もするし…。 作者は本編を更新するのをサボって何やってるのかしら………。って、あれ?今私、なんのことを考えてたのかしら…? それはともかく、お兄ちゃんは『チクタクに直接連絡してくれ』って言ったけど、 チクタクに渡してある通信機にすぐに通信入れちゃったらチクタクがデデデ陛下と話をしたときに陛下から『どこから手に入れた情報なの?』って言われて通信機の存在がバレちゃうわよね……。 お兄ちゃんったら頭はいいけどこういうところが抜けてたりするんだから…。となれば最初は陛下に連絡を入れて、あとでチクタクに本当のことを話そうっと…)」
 グリルが自分がこれからやるべき仕事についてのことを頭の中で整理しているそのとき。
「(あれ?通信が入ってきた…って、デデデ陛下からだわ!自分から連絡を入れる手間が省けたってとこね……)」
 グリルはすぐさまデデデから来た通信に応答した。


 〜デデデ城 デリバリーシステムの部屋〜

「ということで陛下、ちょっと事務の仕事の方や会議が忙しいので、すみませんが魔獣配信サービスはしばらくお休みさせて頂きます…」
「貴様!わしの楽しみを一つなくすつもりかぞい!?『魔獣をお買い物する』というわしの楽しみを!!」
「陛下を怒らせると後で怖いでゲスよ!」
 ププビレッジでは朝一番、カービィを倒すための魔獣をまた注文しようと、MTSに通信を入れたデデデは、 グリルから『魔獣配信サービスをしばらく停止する』ということを聞き、そのことに文句を言っていた。
エスカルゴンもデデデ同様に、グリルの言葉に怒っている。
「本当に申し訳ありません!」
「じゃあ再開できるのはいつぐらいになるぞい?」
「…早くて4日後ぐらいになりそうです。つまり、今日も含めて停止期間は最低で…」
「そんなに待てるわけないぞい!」
 グリルは怒っているデデデに困り果ててしまう。
 するとそこへ、MTS上層部の代弁者であるチクタクがデデデのところへやってきた。
「ご安心ください、デデデ陛下。新しい魔獣なんか頼まなくともこの私チクタクがカービィを倒してみせましょう」
「そうですよ陛下!この前カービィに加えてナックルジョーとかも同時に相手しても楽勝だったチクタクなら、カービィをやっつけることができますって! じゃあ、そういうことで。チクタク、後は全部貴方に任せたわよ。それでは陛下。私は忙しいので、そろそろ切らせていただきま〜す」
「ちょっ…ちょっと待つぞい!!」
 グリルは後のことを全てチクタクに押し付け、もう関わりたくないとばかりに通信を切ってしまう。
「ぐぬぬぬ…魔獣が買えない今、カービィはどうやったら倒せるぞい?」
「陛下、魔獣など買わなくともこのわたくしが…」
「新しい魔獣がどうしても欲しいぞ〜い!うわ〜ん!!」
「あ、あのですから……ん?」
 幼い子供のように駄々をこね始めたデデデにチクタクとエスカルゴンは困り果ててしまう。
 そんなとき、チクタクが隠し持っていた通信機に通信が入ってきた。
 チクタクはデデデとエスカルゴンの二人に気づかれないように玉座の部屋から出て行き、外の廊下で通信に応答する事とした。
 通信に応答したチクタクはグリル達が留守にする本当の理由を聞き、本部の警備が少し手薄になる事を知る。
 通信を切ったチクタクは、少し考えてからデデデ達の元へ戻る。
「陛下…貴方は先ほど新しい魔獣がほしいと言いましたね……?」
「ん?もしかして…もしかしてかぞい?」
「はい、そのもしかしてです。今から新しい魔獣を連れてきましょう」
「ほんとかぞい?」
「はい、それも私の直属の部下の中で最も強い魔獣を……」
「やっぱりグリルなんかよりもチクタク、お前の方が信用できるぞい♪」
「あ!?ちょっと、陛下!そこ持っちゃダメでゲス!!」
 デデデは魔獣が買えないと完璧に諦めていたのにチクタクの発言を聞いて嬉しさのあまり隣にいたエスカルゴンの首を掴み、振り回している。
「じゃあ早速、わたくしは一旦本部の方に戻ってその魔獣を連れてきます。しばらくお待ちを…」
 チクタクはそういうとデリバリーシステムを使って期待しているデデデと、それに仕方なく付き合っているエスカルゴンを部屋に残し、ウィザード・フォートレスへ向かった。


 〜ウィザード・フォートレス〜

 ウィザード・フォートレスでは、謎の惑星への侵攻の準備のために、下っ端のプランクやマドゥー達はマルクの指示で連れて行くための魔獣を用意するなどの相変わらず雑用の仕事をやらされており、 急ぎの事であるためか、施設全体の警備はかなり緩くなっており、チクタクが現在いる司令室には人が誰もいなかった。
「(下っ端達は今この場所にはいませんね…これなら!)」
 チクタクは左手を上にかざし、時間を停止させる能力を使った。
 そしてチクタクは時間が止まっている中、魔獣達が保管されている部屋へと向かう。
 部屋に到着するとチクタクは魔獣が入ってると思われる自分の背の高さと同じくらいはある大きなボックスを一つ、 これもまた大きめのキャリーカートに乗せて司令室までそれを押して走った。
 そして、キャリーカートと自分が司令室の転送装置…デリバリーシステムに乗った瞬間にまた時を動かし始めた。
 チクタクはキャリーカートと共にポップスターへと転送されていった。


 デデデ城に帰ってきたチクタクは早速デデデの目の前でボックスを開け、自分が連れてきた魔獣の紹介をする。
 出てきた魔獣は、ラジカセが魔獣化したような姿をしていた。
「こ…この魔獣は……?」
 デデデは魔獣を見て、チクタクに魔獣の説明をするように言った。
「彼は騒音魔獣サウンドクラッシャー。わたくしの直属の部下の魔獣です」
「じゃあサウンドクラッシャー、カービィをやっつけに行くために出動するぞい!!」
「あ!ちょっと待ってください、陛下」
「なんぞい?チクタク…」
 チクタクは、サウンドクラッシャーをすぐに出動させようとしたデデデを引き止めた。
「このサウンドクラッシャーには良い有効利用法がありまして……」
「有効利用法って、どんな…?」
「ククク。それはですね…」


 今日も、ププビレッジの村人達はいつもと変わらぬ平和な日々を過ごしていた。
 だが、魔獣は黒い雷によっていきなり出現し、襲ってくることもあるためか、メタナイト卿に頼まれて、ナックルジョーとシリカの二人が村を監視している。
 天気は曇りで、なんだか今にも何か起こりそうな雰囲気である。
 そして、シリカがあることに気づく。
「ねぇジョー。何か聞こえない……?」
「え?……何も聞こえねぇけど?」
「よく注意して聞いてよ!」
「あ?ああ………」
 ナックルジョーはシリカに言われたとおり、注意してシリカの言うような『何か』が聞こえてくるかどうか耳を傾けた。
「…ああ。お前の言うとおり、なんか不気味な音楽が……」
「!…ジョー、後ろ!!」
「な?うわっ!」
 音楽に気を取られている隙に、ジョーは危うく後ろから何者かに殴られそうになる。
 だが、殴りかかってきたのは魔獣ではなく、この村の一般の村人であった。
 そして、次々とジョーとシリカの二人に村人が迫ってくる。
「ど…どうなっているんだ…………?」
 二人は訳がわからず、混乱するばかりであった。
 そしていつの間にか、二人は多数の村人に囲まれてしまっていた。
 村人達は何かに操られているかのように、二人に襲い掛かってくる。
 ガシッ!!
「「しまった!!」」
 ジョーとシリカの二人は村人に後ろから羽交い絞めにされてしまう。
 身動きのとれない二人に、何人かの村人が腹部にパンチを入れた。
「ぐっ!がはっっ!!」
 相手が村人である以上、反撃が出来ないジョーとシリカは無抵抗な状態で何度も何度も腹部にパンチを受けてしまう。
 村人達も、交代交代に二人の腹を殴っていく。
「じっ…ジョー…げほっ!は、早く逃げないと…」
「ぐはっ!そ…そう言われても……くっ!」
 二人は腹に力を入れて腹筋を固め、村人達のパンチに耐え抜き、隙を見て羽交い絞めにしていた村人を振り払う。
「フーム達のところに帰って、態勢を立て直そう!」
「うん!」
 ジョーとシリカは突然暴徒と化した村人達から逃げ、フーム達がいるデデデ城に急いで向かった。

「なんですって!?む…村の皆が………?」
「ああ。よくわからねぇけど、俺達二人にいきなり襲い掛かってきたんだ……」
 ナックルジョーとシリカの二人は、ちょうど城に来ていたカービィと一緒にいたフームに村で起きた出来事について報告していた。
「私達も一緒に様子を見に行くわ!悪いけどまたついてきてくれる?」
「わかってる!原因を何とか突き止めて、それを抑えよう!」
「ぽよ!」
 カービィ、フーム、ナックルジョー、シリカは村人が凶暴化してしまった原因を解明すべく、村のメインストリートの方へと走っていった。
「こ、今度は何だ!?」
「え?えぇ〜っ!?どうなってんのよ、これ!?」
 ジョーとフームは、村の異様な光景に思わず声を上げた。
 村にはダンスミュージックのような軽快な音楽が流れ、村人達は全員それにあわせて踊っていたのだ。
「ぐわーっはっはっはっは!」
「!?」
 カービィ達の元にやってきたのは、最近彼らの前に姿を見せなかったデデデとエスカルゴンであった。
 横には、数日前からププビレッジにいる強敵の魔獣・チクタクがいる。
「デデデ!皆をおかしくしてたのはやっぱり貴方だったのね!」
 フームはやって来たデデデ達のことを睨みつける。
 余談だがカービィ達はデデデがMTSと関わりを持っているということは、チクタクが毎日テレビで放送をしていることからすでに周知されていることだったため、その点についてはあまり驚いてはいない。
「詳しくはこのMTS上層部の代弁者・チクタクから聞くがいいぞい!」
 そして、デデデに言われたとおり、彼の横にいたチクタクが今起きている事について説明し始める。
「ふっふっふ…。私の直属の部下である魔獣・サウンドクラッシャーがかけている音楽の力でププビレッジの村人をコントロールしていたのですよ! これで村人達は我々の思い通りに動かす事ができるというわけです!」
「なんですって!?」
「よし!では行くぞい、騒音魔獣サウンドクラッシャー!」
 デデデの声と共に、颯爽とデデデの特注車ことデデデカーの後ろから、ラジカセを模したような3頭身の人型のロボット魔獣・サウンドクラッシャーが出現。
「じゃああとは任せたぞい、サウンドクラッシャー!ぐわーっはっはっはっは!」
「オッケーイ!ミュージック・ボリューム・ア〜〜〜ップ!!!」
 サウンドクラッシャーは両肩に装着されたスピーカーから流れる音楽の音量を上げる。
 その直後にデデデとエスカルゴンはデデデカーに、チクタクはどこから持ってきたのか専用のヘリコプターに乗って城の方へと帰ってしまった。
「カービィ、ナックルジョー、シリカ!あの魔獣を倒さないと…ってあれ!?」
「身体が……勝手に…!!」
「ぽよ〜?」
 カービィ達に魔獣と戦うよう呼びかけたフームであったが、何故だか自分の身体が勝手に動き、音楽にのって踊らされ始めた。
 隣ではジョーとシリカも踊らされており、身体がいうことをきかない状態となっていた。
 ただ、何故かカービィだけは唯一踊らされる事はなく、ただその様子を不思議そうに見つめていた。
「か、カービィ?貴方は平気なの…?」
「ぽよ!」
 踊らされながらフームはカービィに聞くが、カービィはにこっと微笑んで答えた。
「ふっほほほ〜!スピード・ア〜〜〜〜ップ!!!」
 サウンドクラッシャーは突然そんなことを叫んだかと思うと、自分に装着されている機械をいじり始める。
 そしてサウンドクラッシャーがかけているダンスミュージックの音がさらに高くなってスピードも上がり、音楽に操られているフームとジョー、シリカ、村人達も超高速で踊らされる羽目となってしまう。
 だが、相変わらずカービィは音楽に操られる事なく、周囲が踊っている光景がおかしくてしょうがないのか、なんだか嬉しそうにしている。
 踊らされていて攻撃する事のできないジョーとシリカの二人を、サウンドクラッシャーはパンチで弾き飛ばす。
「「ぐわあっ!!」」

 戦いの場所は村のメインストリートの外に移る。
 無理矢理踊らされて身体の自由が利かないジョーとシリカはサウンドクラッシャーに攻撃をすることが出来ず、完全に翻弄されてしまっていた。
 カービィは操られはしていないが、場の空気にのってニコニコしながら踊っている。
 フームも踊らされながらも何とか身体を動かし、カービィ達についてきた。
「ぽ〜よ、ぽ〜よ〜♪」
「か、カービィ!そんな事してる場合じゃ…って、わああっ!」
 フームは無理に身体を動かし、踊りに逆らおうとして転んでしまう。
「はぁ…はぁ…はぁ…。か、身体の動きがとまらねぇ……」
「ぜぇ…ぜぇ…。音楽を…とめないと……」
 猛スピードで激しく踊らされていたジョーとシリカの二人は息切れを起こし始めていた。
 サウンドクラッシャーは二人の体力を無駄に消耗させ、弱ったところでトドメを刺そうとしているのだ。
 そして、数時間後。
「スピード・ダウ〜〜〜ン!」
 サウンドクラッシャーがそう叫ぶと、音楽は最初に村で流れていたときのスピードに戻る。
 ジョーとシリカの二人はダンスを散々踊らされ続けたため、もう体力は残っておらず、その場でへばりそうになってしまう。
 それでも音楽は彼らが踊りをやめることを許さず、踊り続けさせる。
「も、もう踊れないってば……」
 踊りを止め、疲れて地面に手をつこうとするシリカにサウンドクラッシャーが近づき、彼女の頭にいきなりどこからか取り出したヘッドホンをセットした。
 そのヘッドホンのコードはサウンドクラッシャーの肩にあるスピーカーに繋がっている。
「な…!?」
「ふっほほほ!素敵なミュージックを、間近で聴かせてやるぜ〜!!」
 そう言ったサウンドクラッシャーはヘッドホンの音量を最大にし、シリカに先ほどから流れ続けているダンスミュージックを聞かせた。
「うがああぁぁぁぁぁぁっ!!」
 いきなりの大音量を、しかもそれを耳元という逃げ場のない場所で聞いたシリカは脳にダメージを受け、その場に頭を抱えて蹲り、激痛に苦しみ始めた。
「う…ぐぅぅぅ…!」
「し、シリカ!!」
 ジョーはシリカのことを心配して声をかけるが、踊らされている所為で駆け寄る事ができない。
 サウンドクラッシャーは続けてジョーに向かって、前にチクタクが繰り出したものと同じような破壊音波を放つ。
「これでも、喰らいなぁ〜!」
 ズドオオッ!!
「うわああっ!!」
 無理矢理踊らされたことで体力を無駄に消耗していたジョーは攻撃を一発受けただけで倒れてしまう。
 無傷で二人のことを蹴散らしたサウンドクラッシャーは音楽に操られてはいないが愉快に踊っているカービィに迫る。
「ぽよ〜?」
 カービィは踊るのを止めてサウンドクラッシャーの事を見つめ始める。
「次はお前だ〜!ふっほほぉ!!」
 サウンドクラッシャーは音符型の光弾をカービィに向かって発射する。
「カービィ、それを吸い込んで!!」
 フームはカービィに指示を与えるが、やはりまだ音楽の効果で踊らされ続けている。
 カービィはフームの指示通り、音符型の光弾を吸い込む。すると、フームはここでとんでもないことをカービィに指示してしまった事に気付き、後悔する。
「ああぁ……もうダメ…」
「ふ…フーム……何がいけないんだ……?」
「踊りにつられないカービィなら大丈夫なはず……」
「ふ…二人は知らなかったわね……マイクカービィの攻撃力の事」
「「……え?」」
 なんとカービィは音符型の光弾を吸い込んで、ヘッドホンを頭につけ、手にはデスクマイクを持った姿…マイクカービィへと変身してしまっていたのだ。
 マイクカービィはその凶悪とも言えるほどの超音量の歌声で周囲の敵を一掃できることが特徴であり、強力な光で敵を全て粉砕するクラッシュカービィとほぼ似たような力を持つ強力なコピー能力だ。
 だが、クラッシュカービィとの大きな違いは、クラッシュカービィは狙った敵のみ攻撃して倒すことが出来るのだが、マイクカービィは敵味方関係なく無差別に攻撃してしまう所にあるのだ。
 もちろん、その自覚はカービィにはないため、敵を倒せるのはいいのだが、周囲の人物にとっては非常にタチが悪くて迷惑なコピー能力なのだ。
「と、とりあえず、カービィには近づかないで!」
「ち、近づくなって言われても……」
「いいから!!」
 フームは、マイクカービィのことをまったく知らないジョーとシリカに警告するが、彼らは焦っているフームに対してただ首を傾げるだけだった。
「ぐぬぬ〜…ならば今度はこいつでどうだぁ!ふっほ〜う!!」
 サウンドクラッシャーはかけている音楽をダンスミュージックから洋楽風のものへ変更し、これにのって踊りながらカービィへの攻撃を続けようとする。
 だが。
ぽよおぉぉぉぉおぉぉぉぉおおどりゃああああぁぁぁあぁぁああわあぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁ!!!
「「「「うぎゃあああぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!!!!!」」」」
 マイクカービィのすさまじい歌声が周囲に響き渡り、フームとジョー、シリカ、サウンドクラッシャーは悲鳴を上げながら思わず耳を塞ぐ。
「ギャハホォ〜!!な、何だ!こ、この凄まじい、こ、声はぁ〜!!グ、ゲゲ、ゲ……ギ、ギガアアァァアァアアァァアア!!!
 そしてその歌声の破壊力でサウンドクラッシャーは大爆発を起こし、倒される。
 サウンドクラッシャーが倒されてからしばらくすると……。
「も、もういやだ……」
 カービィの歌声をまともに聞いてしまったフーム、ジョー、シリカはその場に倒れて動けなくなっている。
「ぽよ?」
 カービィにその自覚は全くないため、苦しんでいるフーム達を彼は不思議そうに見ている。
「うあぁあ…頭が…頭がガンガンする…………はやく……はやく静かなところで寝て休みたい…」
 3人の中でもシリカに至っては、先ほどの大音量ヘッドホン攻撃の直後にカービィの歌声を聞いてしまったため、脳に死ぬほど大きなダメージを受け、 自力で起き上がることも出来なくなり、もはや半殺しと同様の状態となってしまっていた。
「ぽ〜よ〜?」
「カービィ…、お前の歌はもう2度と聞きたくねぇ…」
 ジョーも耳を押さえて丸く蹲ってしまっていた。
 だが、こうして今日も魔獣は倒され、平和は守られたのであった(笑)。




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