副編集長の鎌田様作・アニメ版星のカービィ 第2期予想小説
第32話
〜撃退〜



 現在メタナイト卿は部下の騎士達と共に、グリルの側近である上級ランク魔獣・シミラとウィズの2体と交戦中であった。
 最初はやり過ごして村の方へと向かったカービィたちに合流するつもりであったメタナイト卿だったが、 戦闘中にソードやブレイドを初めとする騎士が加勢してウィズが召喚した魔獣たちの相手になったことや、敵のうちの1人であるシミラがもう1人の敵のウィズの行動を制限したこともあって、 『敵の数が少ないのであれば倒すチャンス』という考えに切り替わり、全力でシミラと戦うことを決め、ギャラクシアの持つ力をフルに使って強力な技を次々と繰り出し、シミラを追い詰めていった。
 動けなくなったシミラにメタナイト卿はトドメとして、自身が持つ数々の技の中で最強の攻撃力を持つ大技『ハイパーマッハトルネイド』を繰り出したが……?


 ゴオォォォ、ドガアアァァァァァァァァァァァン!!!
 メタナイト卿を中心に四方向に放たれた巨大な竜巻が周囲を巻き込んだ。
「くっ!!」
 メタナイト卿の部下の騎士達は強風に耐え抜こうと踏ん張り、腕で視界を遮る。
 腕のないジャベリンナイトはヘビーナイトに抱えられ、守られている。
 竜巻による風の音と爆音の所為で他の音は何も聞こえない。
 そして、すぐに音は止んで竜巻は消え、辺りには再び静けさが戻ってきた。
 騎士たちが目から腕を戻すと、自分たちの周りからは先ほど戦っていた剣士の魔獣・シュランガー達の姿は跡形もなく消えていた。
 どうやらシュランガー達はメタナイト卿の技に巻き込まれて全滅したらしい。
 シュランガー達が倒されたのを理解した騎士達は、竜巻が消えた後に立っていたメタナイト卿の方を見て彼が無事なのを確認すると、シミラとウィズの姿を探し始める。
「……や、やったのか?」
 部下の1人であるブレイドナイトが、静寂しきっている中で最初に口を開いた。
「いや………まだだ」
「「!?」」
 ブレイドナイトの言葉に、すぐにヘビーナイトが答える。  ブレイドの他にソード、アックス、メイス、トライデント、そしてヘビーナイトに抱えられているジャベリンがヘビーナイトが向いている方向に視線を向けた。
 メタナイト卿の正面にはポツン、と寂しくシルクハットが1個だけ残されていた。
 メタナイト卿はギャラクシアを構えて、次の攻撃に備えている。
「あれは………」
 思わず呟いてしまったソードナイトを初め、騎士達は状況が理解できないでいる。だが次の瞬間。
 ボフッ!
 シルクハットから白い煙が出ると同時に、中からウィズと彼の左腕に抱かれた、傷つき気絶しているシミラが出現した。
 シルクハットから出現してすぐにウィズは正面にいるメタナイト卿と再び対峙。
「間に合ってよかった…。こんなところでシミラに無理されて死なれちゃ困るからな」
「そのシルクハットは……」
「技を出した貴方はもうすでに気付いているか。このシルクハットは強い魔力で作られた特別製で、このシルクハットは何をされても壊れて失われたりはしない……。 ということで、攻撃を避けるためのシェルター代わりに使ったのだよ。 私が召喚した魔獣たちは間に合わずに全滅してしまったが、私よりも強いこの相方を守れただけで充分だ」
ウィズはマジシャンなだけに自分のシルクハットの『タネ』を淡々とした口調で明かした。
「流石に今日はもう相方が戦えない状態になってしまったのでね、私は失礼させてもらう」
「くっ!!」
 逃げようとするウィズに、メタナイト卿は目に見えない速度で斬りかかるが間に合わず、それよりも早くウィズは転移魔法で姿を消してしまった。
 ウィズを取り逃がしてしまったメタナイト卿のところに騎士達が駆け寄り、最初にブレイドナイトが彼に声をかけた。
「卿!お怪我はございませんか?」
「心配は無用だ、奴らの攻撃で怪我はしていない。それよりも、私としたことが……」
「あの魔獣たちを倒せなかったのが悔しかったんダスか?」
 無事であることを最初に告げたメタナイト卿だったが、ギャラクシアを見つめて後悔しているかのような言葉を後に続けた。
 それを聞いたメイスナイトは、メタナイト卿が魔獣を取り逃がしたことを悔しがっているのかと察する。
「それもあるが、何より今私が一番心配なのはカービィたちだ」
「カービィが?」
 アックスナイトが頭を傾げる。
「うむ。私はあの魔獣…シミラを仕留めるということだけをさっきまで考えていた。 しかし、それが祟ってシミラ相手にギャラクシアのパワーを殆ど使ってしまった……。 今使った『竜巻斬り』や『ハイパーマッハトルネイド』のような強力な攻撃を出す、 『ギャラクシーヒーリング』で傷を癒すと言ったことはパワーが回復するまではしばらく出来ん」
「それで今やったことを後悔してるのか」
「その通りだ、トライ。助けにはならないかもしれんが、それでも私は村に行ったカービィたちの後を追う。お前たちはどうする?」
 トライデントナイトの発言を肯定した後、村へ向かったカービィたちを追うためにメタナイト卿はすぐに歩き出そうとする。
「卿をお守りするために、同行致します」
 メタナイト卿が訊いてきたことにソードナイトが最初に答え、他の騎士達も同行する意思を見せる。
「よし。カービィの元へ急ぐぞ!」
 メタナイト卿が走り出し、騎士達もその後を追う。
 彼らはカービィたちと合流することができるのか?


 メタナイト卿がシミラとウィズの2体と激闘を繰り広げていたのとほぼ同刻。
 カービィたち3人はガメレオアーム、マスコローゾの二体の魔獣と戦闘中であった。
 カービィはガメレオアームと戦っていたが、なかなか勝負がつかないでおり、それはマスコローゾと戦っているジョーとシリカも同じだった。
「コンドル頭突き!!」
「おぉっと!」
 正面から低空飛行で頭突きを繰り出すカービィだが、簡単に避けられてしまう。
 するとカービィの攻撃を避けたガメレオアームが、ふと横の方を見る。
 目を向けた先には、ジョーとシリカがマスコローゾと戦っている姿がある。
「シャードロ、そろそろ出て来い」
 マスコローゾの方を見ながらガメレオアームがそう小声で呟くと、彼の影が伸び、カービィたちが昨日も戦った魔獣・シャードロが出現した。
 シャードロはガメレオアームの影から浮き出るように登場すると、ジョーとシリカの2人に向かって黒い光弾を発射。
 光弾は2人の足元目掛けて飛ばされた。
 ドガァン!!
「「うわああッ!」」
 光弾はジョーとシリカの足元で爆発し、ジョーとシリカは衝撃で吹っ飛ばされてしまう。
 ガメレオアームから離れたシャードロは昨日も戦ったシリカに襲い掛かり、蛇のような姿になって彼女の身体に巻き付いた。
「うっ……ぐ…」
 身動きが取れなくなったシリカに向かって、シャードロは自分の身体の先端を槍のように鋭く変形させ、そのままそれを彼女の左の脇腹に突き刺す。
「ぐあああぁッ!!」
 オレンジ色のボディスーツと共に脇腹を貫かれたシリカは痛みに思わず悲鳴を上げる。
 シャードロの細くなった身体によって穴を開けられた脇腹からは赤い血が飛んだ。
「シリカッ!!」
「何をやっている?お前の相手は俺だ」
 ドガァッ!!
「うわッ!!!」
 シリカが心配で余所見をしてしまったナックルジョーを、マスコローゾが棍棒で殴りつけ、空中へ飛ばす。
 飛ばされたナックルジョーは地面に墜落した後転がっていき、岩の壁に減り込んで動けなくなってしまう。
 攻撃は止むことは無く、今度はマスコローゾは左手の爪を伸ばした。
「食らえぇッ!!」
 バシュバシュバシュバシュッ!!
「うわあああぁぁぁッ!!!」
 動けないジョーのところにミサイルのように飛んできた爪は爆発し、岩の壁を崩してジョーを生き埋めにしてしまう。
 先ほどのマスコローゾと同じ状況だ。

 急に出現したシャードロの所為もあってジョーとシリカの2人が戦いのペースを崩されて苦戦する中、カービィだけは何とかガメレオアームを相手に互角に戦えていた。
「フェザーガン!!」
「はああッ!!」
 ズガズガアァァァンッ!
 ウィングカービィから飛ばされた鋭い羽毛と、ガメレオアームの口から吐き出されたペイントボムが空中で衝突、爆発した。
 爆発によって上がった煙の中からカービィがまたコンドル頭突きでガメレオアームに真っ直ぐ突っ込んできた。
 ドガアアァァッ!
「ぐうぅっ……」
 ガメレオアームは腹部に突っ込んできたカービィを受け止めるが、衝撃を全て受け止めきれずに後ずさりをしてしまう。
 やがてパワーに押し負け、ガメレオアームは弾き飛ばされる。
「ぐあ!…ッ、この身体じゃまだこんなものか……」
「それはいったいどういう意味!?」
 カービィのサポートをしていたフームは、ガメレオアームが発した言葉の意味が分からず、彼に直接意味を聞き出そうとする。
「女神よ、よく聞いてくれた。俺の言葉の意味は今は教えることは出来ない。例え可愛いお前が相手でもな。しかしいずれわかることだろう。 その言葉の意味がわかったその時は、今のようにはうまくいかなくなることも、そして俺からお前への強い想い………つまり愛も」
「ふざけないで!!……カービィ、ガンガン攻めましょ!」
「ぽよ!」
 ガメレオアームの時折混ざるキザな言葉にフームは気分を悪くしながらも、カービィのサポートを続ける。

 シャードロに脇腹を貫かれて怪我をしたシリカであったが、ある策を思いついていた。
「(そうか……これを利用して…!)」
 シャードロは縛っていたシリカの身体を解放し、次の行動に移ろうとする。
 今度はまた黒い光弾をシリカに向かって吐き出してきた。
 ドガァァァン!
「うわああぁぁッ!!」
 脇腹の痛みで動けないシリカは光弾を正面から受けてしまう。
 それでもなお立ち上がり、シャードロの次の攻撃を待った。
 次にシャードロは再び蛇のように身体を細くし、先端を槍のように尖らせる。
 しかし、今回はシリカがダメージですでに動けないと思っているのか、そのままシリカに向かって槍のような身体を伸ばしてきた。
「(これだ…!掴みどころのないアイツの動きを捕らえるにはこれしか…)」
 到来したチャンスにシリカはすぐに作戦を実行しようとする。
 正面からシリカを攻撃してきたシャードロ。今度はシリカの右の胸の近くを狙って攻撃してきた。
「(くっ……思ったよりもはや…)」
 グサッ!ブシュルウゥゥッ!!
「うわあぁぁ……ッ!!」
 またしても身体の一部分を貫かれてしまったシリカだが、ただやられるだけでは終わらなかった。
 シリカはダメージを受けたその瞬間に伸びたシャードロの身体を左手で掴んだ。
「ヌ!?」
「くっ……たあぁぁぁっ!!」
 ズバッ!!
掴まれて動けなくなったシャードロを、右手に持ったクロスガンから出現させたナイフで勢いよく切断した。
「ヌアァッ!」
 怯んだシャードロはシリカから素早く離れる。
「逃がすか!!」
 クロスガンをすぐにミサイルランチャー形態に変形させ、逃げるシャードロに砲撃する。
 ドガドガドガアン!
「ヌアオオオォッ!!」
 砲弾の嵐を受けたシャードロは逃げ出してガメレオアームの影とまた一体化してしまう。

 生き埋めとなったナックルジョーにトドメを刺そうと、マスコローゾはゆっくりとジョーが埋まっている岩へ歩み寄る。
 充分近寄ったところで、マスコローゾは棍棒を持っていない左手の爪をまた伸ばし、岩の下にいるジョーを攻撃しようとする。
「これで終わりだ………なに!?」
 爪を発射しようとした瞬間、ジョーが埋もれている部分が青白く光る。
「パワーショット!!」
「グワアァァァッ!」
 岩の下から、岩を破壊しながら突然青白い波動が放たれ、マスコローゾを吹き飛ばした。
 吹き飛ばされたマスコローゾは空中で受け身を取り、ジョーが埋もれていた地点から距離を取る。
 だが彼の胸にはつい先ほどジョーから受けたパワーショットで出来た浅い傷があり、今も岩の下から放たれたパワーショットを同じ場所に受けて、白煙が上がっていた。
 岩の下からは傷と埃だらけになったナックルジョーが出て来た。
「げほッ、げほッ!…はっ…はっ…はっ……」
 先ほどの攻撃が思ったよりもダメージが大きかったらしく、ジョーは埃の影響で咳をした後、少し息を切らしていた。
 しかし何とか息を整え、ジョーはマスコローゾに向かって走り出す。
「何を考えている!?」
 走ってくるジョーに向かって、マスコローゾは左手の伸ばした爪を発射。
 バシュバシュバシュッ!!
「うわあぁぁぁッ!!」
 爪の爆発で吹っ飛ばされ、更にダメージが蓄積されてしまうジョー。
 それでもすぐに立ち上がり、捨て身の攻撃を仕掛けるかのようにまた走る。
 ジョーが接近してきたのを見て、マスコローゾは右手で持っていた棍棒を両手で構える。
「(さっきから見ていたが、奴はいくら力が強いからと言っても自分と同じくらいのあんなに大きな棍棒を扱うのは難しいはず……。 だから攻撃はどうしても大振りで隙が大きい……。ならばその隙をついてこっちは………!)」
 マスコローゾは近づいてくるジョーを叩き潰そうと棍棒を振り上げる。
 それに対してジョーはマスコローゾの目の前で姿勢を低くし、正面から懐に潜り込む。
「(この位置ならしっかり傷の部分を狙える……!!)」
 しっかりとマスコローゾの胸の傷に狙いを定め、ジョーは右手を真っ直ぐ傷の部分に突き出した。
「うおぉぉぉぉッ!!!」
 ズガァァァァン!!
「ガァァッ!?」
「バルカンジャブ!!!」
「グワアアアアアッ!!」
 ジョーのバルカンジャブが炸裂し、マスコローゾは動きを止めてしまう。
「れれれれれれれれれ!!」
「ガアァァァァァァァァッ!!」
 ジョーは高速でバルカンジャブを動けないマスコローゾに次々と決めていく。
 そして何発かの連打の後、右手にパワーを集め、トドメの一発を放つ。
「スマッシュパンチ!!!」
「ギグアァァァァァァァァァッ!!!」
 胸の傷口にスマッシュパンチを叩き込まれたマスコローゾは宙に浮いた後、弧を描いて地面に落下した。
「はぁ……はぁ……」
 怒涛のラッシュを繰り出した直後、ジョーは整えたはずの息がまた少し荒くなっていた。
 飛んできた爪のダメージもかなり効いているらしい。
 ジョーの技を連続で受けたマスコローゾは立ち上がったものの、胸の傷からは白煙がずっと噴き出していた。
「それなりにやるようだが……俺の身体はまだ表面しか傷ついていないぞ」
「なっ……!?」
 マスコローゾ自身の言うとおり、ジョーのパワーショットを2連続、それに続けてバルカンジャブとスマッシュパンチの連続攻撃を受けた胸の傷口は白煙が出てはいるが、 その傷口はまだまだ浅く、彼の城壁のような皮膚の頑丈さにジョーは驚く。
「今日のゲームはこれぐらいにしておこう。続きは俺の気が向いたら……だ」
「お、おい!待て!!」
 マスコローゾはそれだけ言い残すと、ジョーが止めるのを無視して素早い動きで何処かへと姿を消した。

 ウィングカービィとガメレオアームの戦闘はまだ続いていた。
 そんなカービィの所には、大きなダメージを負いながらもそれぞれ魔獣を撤退させたジョーとシリカの2人が合流した。
「はぁ…はぁ…の、残ってるのはもう……お前…だけだぜ……」
 先の戦いで傷ついたジョーは息を切らしながらもガメレオアームと戦うために態勢を整えようとする。
「その様子だと魔獣ハンターのボウヤもライオンくん相手に随分苦労したようだな。そんなんじゃ俺に勝つことは……」
 ガメレオアームはジョーの姿を見て余裕の態度を見せつけるが、そこにまた新たにカービィ側に援軍が到着する。
「カービィ!!無事か?」
「ぽよ?」
「メタナイト卿!来てくれたのね!」
 駆け付けたのはメタナイト卿と部下の騎士達であった。
 フームを除いて合計11人を相手にしなければならなくなった状況に置かれたガメレオアームは、完全に追い詰められたと悟った。
「負けないことは無いだろうが、11人と戦うなるとは、流石に面倒なことになったな……ここは!」
「「!!」」
 突然跳躍してガメレオアームはその場から逃走しようとする。
 だがそれに、メタナイト卿が素早く反応してギャラクシアを構えた。
「波動斬り!!」
「ぶわあッ!?」
 ギャラクシアから炎の衝撃波が撃ち出され、逃げようとしたガメレオアームに直撃。
 しかし、身体の一部が焼けようともガメレオアームは身体を透明にして、逃走を許してしまう。
「逃げたか……」
 ガメレオアームの気配が完全に消え、メタナイト卿はギャラクシアを鞘にしまった。
「メタナイト卿、いきなりで悪いんだけど…ナックルジョーとシリカの治療をお願いできる?」
 フームに頼まれたメタナイト卿がジョーとシリカの2人を見ると、2人は傷口を押さえて苦しそうに息を荒くし、立つのも辛そうにしていた。
「…すまない。それについてだが……」
 メタナイト卿はシミラとウィズとの戦いで起きた出来事をカービィ、フーム、ジョー、シリカの4人に全て話した。
「すぐには治療出来ないのね…。それならすぐに戻らないと……」
 魔獣との戦いで負傷したジョーとシリカは騎士達に肩を貸されて城の方まで運ばれ、カービィ、メタナイト卿、フームも後に続き、急いで帰路についた。
 その様子を何者かに見張られていたということも知らずに……。


 〜デデデ城〜

 カービィたちが戦いから帰ってくるより前のこと。デデデ城に素早い動きで入っていく謎の影があった。
 その影は人気の無いところへと侵入して気配を消す。
 だが、影が入った先にはこれもまた謎の集団が待機していた。
 謎の集団を率いていたのは、かつての銀河戦士団員の忍者であった男・ヤミカゲ。
 彼の後ろには他にも数人忍者のような恰好をした者がいる。
 謎の影の正体と思われる者は、ピンク色の忍者服に身を包んだ、1頭身の体格を持っていた。
「バイオスパークの桃。奴らはもうこの城へ帰ってくるのか?」
「はい、もう少ししたら来ます」
「では作戦通り実行していくぞ。作戦はさっき話した通りだ。覚えたか?」
 ヤミカゲは後ろを振り向き、数人はいると思われる部下の忍者たちに声をかける。
「バッチリじゃん。奇襲はこの俺に任せておけ」
 先ほどのピンク色の忍者服と服や体格こそ同じだが、着ている服の色は赤色の人物がヤミカゲの言葉に最初に応える。
「拙者も準備は出来てるでござる」
 同じく服と体格は同じで、色が青色の忍者も続く。
「ヤミカゲ様、すぐにでも始めましょう」
 謎の集団の中で1人、体型が他の忍者とは違って人型に近く、紫色の忍者服を着た忍者が立ち上がる。
 1頭身で黒色の忍者服を着た忍者、1頭身で白色の忍者服を着た忍者もそれに続いた。
「今こそ『星のカービィ』に復讐をするとき……!!行くぞ」
 ヤミカゲの号令で、彼も含めてそれぞれ忍者たちは別々の方向へと跳躍し、音も無く素早く移動する。
 星の戦士たちに新たな脅威が降り懸かろうとしていた……。 




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